ペットを守る見守りサービスとは?飼い主に万が一があったときの生存確認という備え

のこと。マルシェ兵庫ペット医療センター

「発見されるまでの時間」を短くすることが、ペットを守る。

ペットと暮らしていると、
ふと、胸の奥に小さな不安がよぎることがあります。

「もし自分に何かあったら、この子はどうなるのだろう」

事故や急な体調不良、災害。
特別な出来事でなくても、誰にでも起こり得ることです。

けれど、私たちはつい
「その後どうするか」を考えがちです。

本当に大切なのは、
その前の段階かもしれません。

ペットは、飼い主に何かが起きても、
自分で助けを呼ぶことができません。

だからこそ必要なのは、
大きな制度や完璧な準備ではなく、

“誰かが気づける状態”をつくること。

この記事では、
ペットを守るための「生存確認・見守り」という備えについて、
できるだけ静かに、整理してみます。


目次

なぜ「生存確認」がペットを守る第一歩なのか

飼い主に急な体調不良や事故が起きたとき、
まず問題になるのは「発見されるまでの時間」です。

人は、倒れていてもすぐに気づいてもらえるとは限りません。
特に一人暮らしや、日中ひとりで過ごす時間が長い場合、
数時間、場合によっては数日気づかれないこともあります。

その間、ペットはどうなるでしょうか。

水がなくなっても、自分で補充できません。
ごはんも、薬も、トイレの掃除も止まります。
持病がある子なら、状況はさらに深刻になります。

これは極端な話ではありません。
実際に、飼い主の入院や急病をきっかけに
ペットが取り残されるケースは各地で起きています。

ここで重要なのは、
**「完璧な対策」よりも「気づく仕組み」**です。

誰かが「おかしい」と思ってくれれば、
ペットのもとに人が向かうまでの時間は短くなります。

つまり、生存確認とは
大げさな終活ではなく、
“最初の一歩を早める仕組み”なのです。

  • 発見までの時間が生死を分ける
  • 飼い主が倒れても、ペットは知らせられない
  • これは特別な話ではない

見守り=高齢者向け、だけではない

「見守りサービス」と聞くと、
高齢の親のためのもの、という印象を持つ人も多いかもしれません。

実際、多くの見守りアプリや安否確認サービスは、
高齢者を対象に紹介されることが多く、
「まだ自分には早い」と感じる人もいるでしょう。

しかし、本質は年齢ではありません。

見守りの仕組みとは、
「一定時間反応がなければ、誰かに伝わる」状態をつくることです。

それは、70代でも30代でも同じです。

たとえば、

・在宅ワークで一日中ひとりで過ごす人
・地方で単身赴任をしている人
・持病はないが、ペットと二人暮らしの人

こうした状況は、決して特別ではありません。

見守りは「弱い人のための制度」ではなく、
誰かと暮らしている人のための仕組みでもあります。

特に、犬や猫と暮らしている場合、
自分の異変がそのままペットの環境に直結します。

だからこそ、
「自分はまだ若いから大丈夫」ではなく、

ペットと暮らしている以上、
気づいてもらえる状態をつくっておく

という発想が大切になります。

見守りとは、
重たい覚悟ではなく、
“誰かとつながっている状態”を持つこと。

その形は一つではありません。

次の章では、実際にどのような方法があるのかを
タイプ別に整理してみます。

  • 見守り=親のため、と思われがち
  • でも本質は「反応が止まったら誰かに伝わる仕組み」
  • 独居の飼い主にも必要

生存確認・見守りの方法はいくつかある

「生存確認」といっても、
特別な装置や大きな契約が必要なわけではありません。

大切なのは、
一定時間、反応がなければ誰かに伝わる仕組みがあること。

方法はいくつかありますが、
ここでは“タイプ”ごとに整理します。
どれが正解というものではありません。


生存確認アプリ型

(毎日タップ/応答 → 反応がなければ通知)

もっとも分かりやすいのが、
生存確認を目的としたアプリです。

・毎日決まった時間に「今日も大丈夫」とタップする
・簡単な質問に回答する
・一定時間操作がなければ、登録した相手に通知が届く

といった仕組みになっています。

特徴は、
仕組みとして自動化されていること。

自分が忘れていても、
一定時間反応がなければ通知が行くため、
人の記憶や善意だけに頼らずに済みます。

一方で、
アプリを毎日開くことが負担になる場合もあります。

「きちんと続けられるかどうか」も、
選ぶときの一つのポイントです。


LINEなど日常ツール型

(毎日のスタンプ・グループでの確認)

専用アプリを使わなくても、
日常的なやり取りを“生存確認代わり”にする方法もあります。

たとえば、

・毎朝スタンプを送り合う
・「今日は元気」と一言メッセージを送る
・ペットの写真を共有する習慣を持つ

などです。

これは仕組みというより、
習慣による見守りです。

特別な設定は不要で、
今使っているツールで始められるのが利点です。

ただし、
「今日は忙しかっただけなのか」
「本当に異変が起きているのか」
の判断が曖昧になりやすい側面もあります。

そのため、
「〇日反応がなければ電話する」など、
ゆるいルールを決めておくと安心です。


位置情報・キャリア見守り型

(操作状況・充電・位置などで把握)

スマートフォンの操作状況や位置情報、
充電状態などをもとに異変を察知する
見守りサービスもあります。

・一定時間スマホが操作されていない
・外出先から動きがない
・充電が切れたままになっている

といった変化を通知する仕組みです。

こちらは、
本人が毎日操作しなくても機能する点が特徴です。

ただし、
位置情報を共有することへの抵抗や、
プライバシーの問題もあります。

どの方法を選ぶかは、
利便性だけでなく、
「自分が無理なく続けられるかどうか」で決めるのが大切です。

ペットの飼い主同士で、ゆるく見守り合うという発想

ここまで、生存確認や見守りの方法を整理してきました。

けれど本当に大切なのは、
アプリの種類よりも、
**「誰とつながっているか」**かもしれません。

生存確認は、必ずしも家族だけが担うものではありません。

むしろ、
同じように犬や猫と暮らしている人同士だからこそ、
分かり合える部分があります。

「もし数日連絡がなかったら、
この子のことが心配になるよね」

その感覚を共有できる相手がいることは、
大きな安心につながります。

家族でなくてもいい。
長年の友人でなくてもいい。

・近所で犬を散歩している顔見知り
・SNSで交流のある飼い主仲間
・保護活動を通じて知り合った人

共通点は、
「ペットがいる暮らしを知っている」こと。

そこに、
ゆるやかな見守りの輪をつくることはできないでしょうか。

たとえば、

・週に一度、近況を送り合う
・毎朝スタンプを送り合う
・〇日連絡がなければ電話してみる

それだけでも、
“気づくきっかけ”になります。

ここで大切なのは、
義務にしないことです。

「絶対に毎日確認しなければならない」
「何かあったら責任を取らなければならない」

そう考えてしまうと、
見守りは重くなり、続きません。

見守りは監視ではありません。
助け合いでもありますが、
責任を押しつけ合うものでもありません。

ただ、

「もし連絡が止まったら、
ちょっと気にかけてみよう」

その約束だけで十分です。

完璧な制度ではなく、
やさしいつながり。

それが、
ペットを守るための
もう一つの備えの形です。


見守りで大切なのは「完璧にしないこと」

見守りの仕組みを考え始めると、
「もっとちゃんとしなければ」と思ってしまうことがあります。

・複数のアプリを入れたほうがいいのではないか
・契約型のサービスを使うべきではないか
・万全の体制を整えないと意味がないのではないか

けれど、完璧を目指しすぎると、
かえって何も始められなくなります。

見守りで本当に大切なのは、
“ゼロではない状態”をつくることです。

たとえば、

・一人でも、自分の異変に気づいてくれる人がいる
・反応が止まったとき、誰かに通知がいく
・ペットがいることを知っている人がいる

それだけで、状況は大きく変わります。

また、見守りは監視ではありません。

常に位置情報を共有することが正解とは限らないし、
毎日の報告が負担になるなら、方法を変えればいいのです。

大切なのは、
自分にとって無理がなく、
続けられる形を選ぶこと。

そして、相手に責任を背負わせないことです。

「何かあったら絶対に助けてほしい」ではなく、
「気づいたら、ちょっと連絡してみてほしい」

そのくらいの約束が、
ちょうどいい距離感かもしれません。

完璧でなくてもいい。
制度でなくてもいい。

見守りは、
“少しのつながり”を持つことから始まります。


今日できる、小さな一歩

今日できることは、ほんの小さな一歩で十分です。

たとえば――

・生存確認アプリを一つ入れてみる
・信頼できる人に「ペットがいる」と伝えておく
・毎朝のスタンプを、少しだけ意識して続けてみる

それだけでも、
“誰にも気づかれない状態”からは一歩離れることができます。

見守りは、監視ではありません。
責任の押しつけでもありません。

ただ、
「もし何かあったら、少し気にかけてみる」。

そのやわらかなつながりが、
結果として、ペットの命を守ることにつながるかもしれません。

完璧でなくてもいい。
制度でなくてもいい。

“生きていることが、誰かに伝わる”。

その状態を持つことが、
ペットを守るための、静かな備えになります。

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この記事の執筆者 / 監修者

らみえる
らみえる
動物専門・ペット特化のWebライター・ディレクター・デザイナー。慶應義塾大学環境情報学部を卒業後、大手企業で広報や編集校正の仕事を経て、猫専門ペットホテル猫専門ペットホテル・キャッツカールトン横浜代表、動物取扱責任者、愛玩動物飼養管理士。
幼少期から犬やリス、うさぎ、鳥、金魚など、さまざまな動物と共に過ごし、現在は4匹の猫たちと暮らしています。デザインと言葉で動物の魅力を発信し、保護活動にもつなげていきたいと思っています。
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