~ゼロジャパンプロジェクト、8月8日「世界猫の日」に正式運用開始~
一般社団法人ゼロジャパンプロジェクト(代表理事:田中亜弓、所在地:岩手県滝沢市)は、「殺処分ゼロ」の実現を目指し、全国の保護施設や賛同企業、動物関連団体と連携した新たな取り組みを始動しました。
その一環として、高齢の飼い主が安心してペットと暮らし続けられるよう、飼い主に万が一があった際に犬猫を保護施設で終生受け入れる「ワンニャンお引き受けサービス」を正式に運用開始。
人とペットが共に最期まで寄り添える社会づくりを進めています。
高齢化社会で問われる“最後まで一緒に”という選択肢

高齢化が急速に進む日本。犬や猫は心の支えとなり、高齢者の孤独感を和らげ、健康寿命を延ばす効果も期待されています。
しかし「自分にもしものことがあったら、この子はどうなるのか」という不安から、ペットを飼うことをためらう人も少なくありません。
そうした不安を解消し、人生の最期まで安心してペットと暮らせるようにと、一般社団法人ゼロジャパンプロジェクトが新たに立ち上げたのが「ワンニャンお引き受けサービス」です。
ペット殺処分ゼロを目指す新たな取り組み

環境省の2023年度データによると、殺処分された犬は2,118頭、猫は6,899匹にのぼります。その背景には以下のような事情があります。
- 飼い主の死亡や入院、転居などによる「飼えなくなった事情」
- 野良猫の自然繁殖と捕獲(TNR活動の不足)
- 過剰繁殖や売れ残りによる遺棄
- 「飽きた」「病気になった」など命を軽視した飼育放棄
殺処分を減らすために
- 里親になる
- 責任を持って飼う
- 現状を知って伝える
という3つの行動が欠かせません。
ゼロジャパンプロジェクトは全国の保護施設や賛同団体と連携し、「殺処分ゼロ」を目指した活動を推進しています。その一環として、飼い主が健康上の理由で世話を続けられなくなった際にペットを終生飼育する仕組みを整えました。
「ワンニャンお引き受けサービス」の内容

ワンニャンお引き受けサービス」は、岩手県滝沢市の「ペットの里」を拠点に、提携する保護施設でペットを受け入れ、責任をもって終生飼育を行います。
入会・利用の概要
- 入会方法:ゼロジャパンサポーターとして月額1,000円/1口(複数口可)
- 利用開始:申込・決済完了から6か月後
- 対象:飼い主が死亡・余命6か月以内・施設入所・要介護2以上・認知症中度以上などの事情で飼育困難になった場合
- 引き受け対象:1口につき1匹(複数飼育は複数口の加入が必要)
入会特典
- ペットシッター1回無料
- ペット共同墓地の利用無料
- フード・サプリのお試しサンプル提供
- 会員向け割引サービス(ホテル・シッター・フード等)
会費はすべて保護施設の運営や医療費、里親マッチングに充てられ、「殺処分ゼロ」の活動を支える資金になります。
ペット殺処分ゼロを目指す新たな一歩
一般社団法人ペットフード協会が行った**全国犬猫飼育実態調査(令和4年)によれば、
- 犬を譲渡で迎えた人:全体のわずか6.8%
- 猫を譲渡で迎えた人:20.9%
多くは今もペットショップやブリーダーから購入されています。
つまり、「殺処分ゼロ」に向かうには
- 里親になる選択肢をもっと広げること
- 飼い主一人ひとりが最後まで責任を持つこと
- 犬猫の現状を知り、周りに伝えること
この3つが欠かせません。
「ワンニャンお引き受けサービス」は、まさにその第一歩となる取り組みです。
8/2にはイベントで説明会も開催
サービス開始にあたり、8月2日(土)「ペットの里 チャリティーフェスタ」(岩手県滝沢市)にて説明会が行われます。
イベントでは「ワンニャンお引き受けサービス」の紹介のほか、セミフリー保護運用宣言、ワークショップ、講演、グルメ屋台やBBQ大会なども予定されています。
取材は時間内であれば随時対応可能で、参加者や田中代表理事へのインタビューも行えます。
ゼロジャパンプロジェクト概要
項目 | 内容 |
---|---|
団体名 | 一般社団法人ゼロジャパンプロジェクト |
所在地 | 〒020-0682 岩手県滝沢市鵜飼臨安102番地 ペットの里内 |
代表理事 | 田中亜弓(一般財団法人ペットの里 代表理事) |
設立 | 令和5年10月4日(世界動物の日・里親の日) |
電話 | 019-601-7775 |
メール | info@zero-japan.jp |
HP | https://www.zero-japan.jp/ |
ゼロジャパンプロジェクト 田中理事 コメント

幼い頃に、一緒によく遊んでいた野良猫がいきなり保健所に連れて行かれ、その時初めて犬猫の殺処分というものを知りました。その時の気持ちは今でも忘れられません。
上京後に花蜜氏と出会い、実際にプロジェクトを開始。11年前にペットの殺処分ゼロを目指して岩手県に敷地を購入。準備を整えて、猫だけでも20,000匹のセミフリー保護が可能になりました。
これがうまく軌道に乗れば、日本中の処分対象猫を一手に引き受けることが できます。活動を「かわいそう」で終わらせず、「どうすれば減らせるか」を一人ひとりが考えることが、未来を変える第一歩だと思っております。
また、支援者からの寄付によって「バーチャル里親制度」や「ネーミングライツ権」などのサービスも取り入れていく予定です。
ペットの里 概要
田中亜弓氏は岩手県にある世界最大級のペット関連施設「ペットの里」の代表理事でもあります。
項目 | 内容 |
---|---|
名称 | ペットの里 |
所在地 | 岩手県滝沢市鵜飼臨安102番地 |
敷地面積 | 東京ドーム約9個分(約12万坪) |
特徴 | 世界最大級のペット関連施設 |
主な施設 | 日本最大級ドッグラン(約5,000坪)、保護施設、どうぶつ病院、霊園、ペットと泊まれるグランピング施設 |
活動内容 | 保護犬猫の里親探し、終生飼育サポート、高齢者の健康支援、子どもの情緒教育、社会的弱者の雇用促進 |
運営理念 | 人とペットの幸せな共生と、殺処分ゼロ社会の実現を目指す |
終生飼育引受団体一覧
岩手県の「ペットの里」以外にも全国にある、終生飼育引受団体一覧はこちらです。

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この記事の執筆者 / 監修者

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動物専門・ペット特化のWebライター・ディレクター・デザイナー。慶應義塾大学環境情報学部を卒業後、大手企業で広報や編集校正の仕事を経て、猫専門ペットホテル猫専門ペットホテル・キャッツカールトン横浜代表、動物取扱責任者、愛玩動物飼養管理士。
幼少期から犬やリス、うさぎ、鳥、金魚など、さまざまな動物と共に過ごし、現在は4匹の猫たちと暮らしています。デザインと言葉で動物の魅力を発信し、保護活動にもつなげていきたいと思っています。
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