レッサーパンダはなぜ立つの?かわいい立ち姿に隠された3つの理由

のこと。マルシェ兵庫ペット医療センター

動物園でレッサーパンダを見ていると、突然すっと立ち上がる瞬間があります。思わず「かわいい!」と声が出てしまう、あのポーズ。でも実は、なんとなく立っているわけではありません。

レッサーパンダが立つのには、ちゃんとした理由があります。しかも体の構造まで「立ちやすさ」に関係しているって、知っていましたか?

この記事では、レッサーパンダが立ち上がる3つの理由と、動物園でその瞬間に出会うためのコツをわかりやすく解説します。

目次

レッサーパンダが立ち上がる理由は3つある

動物園でレッサーパンダを見ていると、突然すっと立ち上がる瞬間があります。あの姿があまりにかわいくて思わず写真を撮りたくなりますが、実はちゃんとした理由があっての行動なんです。大きく分けると、3つの目的があります。

理由① 周囲をよく見渡したい

レッサーパンダは体が小さく、草や岩の陰に隠れると視界が一気に狭まります。そこで後ろ足だけで立ち上がり、高い位置から周囲を確認します。「天敵はいないか」「おもしろいものはないか」をチェックするための、いわば”ちょっと見”の行動です。

理由② 体を大きく見せて威嚇している

驚いたり身の危険を感じたりしたとき、レッサーパンダは立ち上がって両手を広げます。体をできる限り大きく見せることで、相手にプレッシャーを与えようとしているのです。ただし見た目がかわいすぎて、人間にはほとんど怖く見えないのが正直なところ。「威嚇しているのに全然怖くない」というギャップが、SNSでバズる理由のひとつでもあります。

理由③ 好奇心から、日常的に立っている

レッサーパンダはとても好奇心が強い動物です。ごはんの時間に飼育員さんが近づいてきたとき、聞き慣れない音がしたとき——気になることがあるとすぐに立ち上がって確かめようとします。威嚇でも観察でもなく、「なんだろう?」という純粋な興味からくる行動です。

じつは「立ちやすい体」の秘密があった

レッサーパンダがあんなに安定して立っていられるのには、体の構造に理由があります。

レッサーパンダは蹠行性(しょこうせい)という歩き方をします。少し難しい言葉ですが、要するに「かかとまで地面につけて歩く」タイプのこと。人間や熊と同じ構造です。

これに対して、猫や犬はつま先だけで地面を蹴る趾行性(しこうせい)。つま先立ちが基本なので、後ろ足だけで体を支えるのは苦手です。

レッサーパンダはかかとをしっかり地面に乗せられるぶん、直立姿勢がとても安定しています。「器用に立っているな」と感じるあの姿は、実は体の構造が後押ししているんです。

「立つブーム」の火付け役、風太くんの話

「立つレッサーパンダ」が広く知られるようになったのには、1頭のレッサーパンダの存在があります。千葉市動物公園で暮らす風太くんです。

2005年ごろ、風太くんが颯爽と立ち上がる映像がニュースやバラエティ番組で取り上げられ、一大ブームに。「レッサーパンダって立つの?」という驚きが日本中に広まりました。

2026年7月には23歳という驚異的な長寿を迎えた風太くんは、今も千葉市動物公園で元気に過ごしています。

わたしも千葉に住んでたころ、風太くんにときどき会いに行きました。

こんなに長生きしてくれて嬉しいです。そして、これからも長生きしてほしいです。

→ 風太くんのことをもっと知りたい方は、こちらの記事もどうぞ。

動物園で立つ瞬間に出会うコツ

せっかく動物園に行くなら、あの立ち姿をぜひ生で見たいですよね。実は、立ち上がりやすいタイミングにはパターンがあります。

①給餌時間の前後を狙う
ごはんへの期待や好奇心から、飼育員さんが近づいてくる気配を感じると立ち上がることが多いです。各動物園のウェブサイトやSNSで給餌タイムを事前にチェックしておきましょう。

②開園直後の朝イチがねらい目
来場者が少なく静かな時間帯は、レッサーパンダも活動的です。人が増えてにぎやかになると、物陰で休んでしまうこともあるので、なるべく早めの時間がおすすめです。

③展示場の前でしばらく待つ
突然の音や動きに反応して立ち上がることがあります。あわてて通り過ぎず、2〜3分だけそっと待ってみてください。

まとめ

レッサーパンダが立ち上がるのは、周囲を観察したいとき、身を守りたいとき、そして純粋に好奇心が湧いたとき。その3つの理由と、かかとまで地面につく「蹠行性」という体の構造が組み合わさって、あの安定した立ち姿が生まれています。

かわいいだけだと思っていたポーズに、ちゃんと意味があったんですね。次に動物園へ行くときは、ぜひ給餌タイムを狙って「立つ瞬間」を探してみてください。きっとまた違った目線でレッサーパンダを楽しめるはずです。

ジャイアントパンダ

この記事の執筆者 / 監修者

らみえる
らみえる
動物専門・ペット特化のWebライター・ディレクター・デザイナー。慶應義塾大学環境情報学部を卒業後、大手企業で広報や編集校正の仕事を経て、猫専門ペットホテル・キャッツカールトン横浜代表、動物取扱責任者、愛玩動物飼養管理士。
幼少期から犬やリス、うさぎ、鳥、金魚など、さまざまな動物と共に過ごし、現在は4匹の猫たちと暮らしています。デザインと言葉で動物の魅力を発信し、保護活動にもつなげていきたいと思っています。
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