レッサーパンダRed panda

レッサーパンダ
カテゴリ パンダ
種類 レッサーパンダ
英語表記 Red panda
大きさ 体長50~60cm
重さ 5~10㎏
平均寿命 8~15年前後

レッサーパンダの特徴

哺乳綱食肉目レッサーパンダ科レッサーパンダ属の動物です。しっぽがとても長く、30~50cmにもなります。被毛は柔らかく、足の裏までふわふわとした毛で覆われており、寒さから身を守ることが出来ます。ネパールレッサーパンダ(ニシレッサーパンダ)、シセンレッサーパンダの2種が存在します。国内の動物園で飼育されているレッサーパンダの多くはシセンレッサーパンダであり、なんとシセンレッサーパンダの飼育頭数は日本が世界一です。シセンレッサーパンダはネパール(ニシ)レッサーパンダと比べると体が大きく、体毛が濃い茶色になっています。生息地は中国の南西部、インドの北東部、ネパール、ブータン、ミャンマーです。初め、レッサーパンダは単に「パンダ」と呼ばれていました。後にジャイアントパンダが発見されてパンダと言えばジャイアントパンダを示すようになってしまい、「lesser=小さい方の」を付けてレッサーパンダ、レッドパンダと呼ばれるようになりました。そのため中国語でもレッサーパンダ=「小熊猫」、ジャイアントパンダ=「大熊猫」と表記します。

レッサーパンダの性格

見た目の可愛らしさの一方で、野性のレッサーパンダの気性は荒く、警戒心の強い生き物です。子供の頃は特に臆病であり、驚いた拍子に死んでしまうこともあるようです。自然界では大型動物に捕食される側であり、生態も熊に近いことから、凶暴性があるのは仕方のないことなのかもしれません。動物園で飼育されているレッサーパンダは生まれも動物園であり人間に育てられるため、人に対して攻撃的になることはあまりなく、懐いてくると体を摺り寄せて甘えることもあるようです。2005年千葉市動物公園のレッサーパンダ・風太くんが人のように直立する姿が話題になりましたが、もともとレッサーパンダが威嚇するときや周囲の様子をうかがうときに立つのは珍しいことではないようです。本人は真剣なのかもしれませんが、可愛らしいレッサーパンダが直立し両手を上げてバンザイのポーズをしているのはとても微笑ましい気持ちになってしまいます。

レッサーパンダの飼い方

レッサーパンダはワシントン条約により保護されているため、一般家庭でペットとして飼育することは出来ません。夜行性もしくは薄明薄暮性のため、早朝と夕方に活動し、日中は木の上や穴の中で眠って過ごします。竹やタケノコを主食としていますが、小型哺乳類や鳥類の卵、ヒナ、昆虫、動物の死骸、リンゴやバナナといった果物、ニンジンを食べることもあります。日中は木の上で休むことが多く、木登りが非常に上手なことで知られています。1~3月の発情期に甘い鳴き声を上げます。夏の少し前に換毛期があり、毛が抜けるとしっぽもやや細くなった姿を見ることが出来ます。

レッサーパンダの歴史・起源・生態

野生のレッサーパンダは標高1500~4800メートルもの高標高の森林、竹林で単独で生活しています。野生の頭数は2500~10000頭と推定されており、絶滅危惧種として指定されています。減少の理由は、生息域の開発による破壊、断片化、毛皮・ペット目的の密漁などです。野生の場合は8~10年ですが、飼育下では15年ほど生きることが出来ます。

レッサーパンダの気を付けたい病気

犬ジステンパー

レッサーパンダの一口メモ

日本で飼育されているレッサーパンダの多くはシセンレッサーパンダであり、多くの動物園でみることが出来ます。対してネパール(ニシ)レッサーパンダが国内で見学できるのは2022年現在静岡県「熱川バナナワニ園」だけです。11頭のネパール(ニシ)レッサーパンダがのびのびと暮らす姿を見ることが出来ます。

獣医師監修

本記事は、信頼性・正確性向上のために、獣医師資格保有者が監修しています。監修者の詳しいプロフィールは下記をご参照ください。

この記事の執筆者 / 監修者

獣医師もも
獣医師もも
北海道大学を次席で卒業し、獣医師資格取得。日本獣医師会会長表彰受賞。
幼少期から鳥やウサギ、犬などに囲まれて暮らし、獣医師を志しました。
大学卒業後は関東の動物病院で勤務した後、IT企業でWebディレクターとして働いています。
動物に関する正しい情報を発信したいという想いから、自身のブログ「獣医師ももブログ」 を立ち上げ、日々ブログを更新しています。

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