広島が誇る伝統工芸「熊野筆」。書道や化粧用として高い品質で知られています。
筆の多くには動物の毛が使われますが、実際にどんな毛が使われ、どのように作られているかを知っている方は少ないのではないでしょうか。
熊野町にある「筆の里工房」では、熊野筆の歴史や文化を学べる展示や、筆作りの体験が楽しめます。伝統技術の奥深さに触れながら、楽しいひとときを過ごしてみませんか?
筆の里工房で見られる「筆の展示」
筆の里工房の展示スペースには、書筆や化粧筆など、さまざまな熊野筆が並んでいます。
種類の多さに驚かされるだけでなく、筆ごとの用途や特徴を知ることができるので、新たな発見がたくさんあります。
筆にはたくさん動物が使われてきた歴史があり、すごく興味深かったです。
熊野筆はオバマ大統領にも送られました。
世界に一つだけの「筆作り体験」
「筆作り体験」では、職人の手ほどきを受けながら、実際に自分の手で熊野筆を作ることができます。
筆作りに使われる毛は、イタチ、ウマ、リスなどさまざま。それぞれの毛の性質は違い、組み合わせることで、書き心地の違う一本を仕上げます。
動物の毛は例えばこのようなものです。
- 馬…もっともポピュラー。全身の毛がほぼ筆作りに適しています。書道から絵画、化粧筆などに広く使われる
- イタチ…毛先がよくまとまるので、楷書や細字用、水彩画や油彩では細部の描写にも。化粧筆としてはリップブラシやシャドウブラシに。
- 鹿…原毛では一番硬い部類に。筆のこしを強くするために他の毛と混ぜて使います。
動物の毛の違いは「熊野筆オンラインショップ」を参考にしてください>>
筆の里の館内では、実際に動物の毛の違いを触ってみることができます。
体験では12工程ある製造過程の中でも、「衣毛巻き」と「仕上げ」という重要な2つの工程を体験。
伝統工芸士である大久保順敬先生が実演しながら優しく教えてくれるので、初めてでも楽しみながら作業できます。
大久保順敬先生の実演で、筆がどう作られるのか初めて見ました。
楽しい筆作り体験
これらの道具を使って穂先を整えていきます。
自分でやると難しさを感じます。職人技の素晴らしさに感動。
完成したときの喜びもひとしおです。目の前で筆作りを見られて、体験できる貴重な機会です。
左が完成、右が途中経過です。
1週間前までに予約をすれば、筆の軸に名前を入れて、さらに愛着がわく自分だけの一本に仕上げられます。
作務衣を着ての作業もできます。
- 所要時間60分
- 受付時間9:30〜15:30
良質な原毛(動物の毛)の先端は半透明になっていて、よく墨を含むようになっています。
筆作りには良い毛を上手に組み合わせるのが欠かせません。
筆の魅力をさらに深める「体験メニュー」も豊富!
筆作り体験だけでなく、筆の里工房ではさまざまな体験や講座を楽しめます。
和の趣あふれる「和風タペストリー作り」や、オリジナルの「絵てがみ体験」、筆で描く「筆アート缶バッジ」づくりなども。
さらに、美文字職人からのワンポイントアドバイスが受けられるコーナーもあり、文字の美しさを学ぶきっかけにもなります。
ショップ&レストラン案内
展示だけでなく、食事とショップも魅力の「筆の里」。
熊野筆の美しいフォルムと機能性はもちろん、その歴史や技術の深さを肌で感じられるコーナーです。
化粧筆といってもこんなにたくさんあるのですね。
1,500種類が揃う「セレクトショップ」でお気に入りの一本を見つけよう
併設のセレクトショップには、書道用から画筆、化粧筆まで約1,500種類が並び、自分に合った一本を選ぶ楽しさも。
お気に入りの筆が見つかれば、日常にも筆の魅力を取り入れられるかもしれません。
水辺のギャラリーレストラン「Cafe 照(カフェテラス)」
筆の世界を楽しんだあとは、併設の「Cafe 照」でゆったりとしたひとときを過ごしましょう。
湖畔に面したカフェでは、地元の新鮮な食材を使った食事が楽しめ、魚や肉、野菜のプレートはボリュームたっぷりで満足度も◎。
水辺の景色を眺めながら、熊野筆の里での素敵な一日をしめくくり。
古来より、文字を書くために使われてきた筆。
動物の毛で作られた筆とともに、文字文化も発展してきたのですね!
広島の熊野町「筆の里工房」で、筆の奥深さに触れるとともに、手作り体験を楽しみながら特別な思い出を作ってみませんか?
アクセス
筆の里工房
〒731-4293 広島県安芸郡熊野町中溝5-17-1
TEL:082-855-3010
FAX:082-855-3011
開館時間9:30〜17:00 (入館は16:30まで)
休館日:毎週月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始 ※臨時休館あり
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この記事の執筆者 / 監修者
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▷動物専門・ペット特化ライター&デザイナー
▷慶應義塾大学卒
▷会員制ねこ専用ホテル&シッター・キャッツカールトン代表
▷動物取扱責任者・愛玩動物飼養管理士
▷現在は猫4匹との暮らし。幼少時から犬、リス、うさぎ、鳥、金魚などさまざまな動物と過ごし、生き物を愛してやまない毎日。
▷前職は一般企業で広報、編集校正やってました。
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