飼い主が倒れたあと、ペットはどこへ行くのか
一人暮らしの高齢者が病院に緊急搬送され、自宅に猫が残されたまま連絡が途絶えた──。
こうした事態は、いまや全国の動物保護団体や行政窓口に寄せられる「よくある相談」の一つになっています。
日本では高齢化が進むなか、飼い主の死亡や入院によってペットが行き場を失うケースが増えていると指摘されています。
これは単なる動物の問題ではなく、高齢化社会が生み出す新しい社会課題とも言われています。
日本で実際に起きている「飼い主にもしも」の事例10
① 飼い主の孤独死で猫20匹が取り残された
東京都内の住宅で高齢の飼い主が亡くなり、室内で約20匹の猫が取り残されていたケースが報道されています。
発見されたときには餌も水もなく、保護団体が引き取って里親探しを行いました。
② 入院で犬が1週間家に残された
高齢の飼い主が突然入院し、犬が1週間以上家の中に取り残されていた事例があります。
近隣住民が鳴き声を不審に思い、通報して発覚しました。
③ 老人ホーム入居で猫を手放す
介護施設への入居が決まり、ペットと暮らせないため猫を手放すケースは保護団体に多く寄せられています。
団体によると、相談理由の上位に「施設入居」があるといいます。
施設入居を決めた高齢者が「犬を一緒に連れて入れないなら施設には入らない」と在宅介護を続け、結果として孤立するケースもあります。
④ 飼い主死亡で多頭飼育崩壊が発覚
地方都市で飼い主が亡くなった後、家の中で猫30匹以上の多頭飼育状態が見つかった事例があります。
家族が飼育状況を知らず、保護団体と行政が対応しました。
⑤ 飼い主死亡後、親族が飼えず行き場がなくなる
飼い主が亡くなったあと、
- 家族は遠方
- ペット不可住宅
- 動物を飼えない事情
などの理由で引き取り手が見つからないケースも多いと保護団体は指摘しています。
こうしたケースは決して特別な出来事ではありません。
保護団体によると、飼い主の病気や死亡によってペットの行き場がなくなる相談は毎年寄せられています。
だからこそ大切なのが
「誰かが異変に気づく仕組み」
を作っておくことです。
飼い主に突然のことが起きたとき、ペットが行き場を失うケースは決して珍しいものではありません。
保護団体によると、こうした相談は毎年のように寄せられています。
飼い主が入院すると、ペットが家に取り残されることも
もっとも多いのが、飼い主が急病や事故で入院したあと、ペットが自宅に取り残されてしまうケースです。
一人暮らしの場合、周囲の人がすぐに状況を把握できないことがあります。
その結果、ペットが数日間家の中に閉じ込められ、フードや水が不足してしまうという問題が起こることもあります。
最近は、見守りサービスや近隣の人が異変に気づいて保護されるケースも増えていますが、事前の準備がない場合、発見まで時間がかかることも少なくありません。
家族や親族が引き取るケースもあるが…
飼い主に何かあった場合、まず検討されるのは家族や親族による引き取りです。
ペットを家族として大切にしている場合、親族が世話を引き継ぐケースも多く見られます。
しかし、親族が遠方に住んでいたり、動物を飼えない住環境だったりする場合は、引き取りが難しいこともあります。
その場合、友人や近所の知人が一時的に世話をするなど、周囲の人の協力によってペットが守られることもあります。
最終的に保護団体や行政が対応することも
引き取り手が見つからない場合、自治体や動物保護団体が対応することもあります。
地域の保健所や動物愛護センターに相談され、保護団体が新しい飼い主を探すケースもあります。
ただし、すべてのペットがすぐに引き取られるわけではありません。
年齢や健康状態、性格などによっては、新しい飼い主が見つかるまで時間がかかることもあります。
そのため、飼い主が元気なうちから、ペットの将来について少しずつ考えておくことが大切だと言われています。
だからこそ「もしも」の備えが大切
飼い主に突然のことが起きても、周囲がすぐに気づき、ペットの世話を引き継げる環境があれば、大きな問題にならずに済むこともあります。
例えば
- 見守りサービスを利用する
- ペットの緊急連絡カードを持ち歩く
- 世話を頼める人の連絡先を決めておく
といった準備です。
こうした小さな備えが、万が一のときにペットの命を守ることにつながります。
親族が引き取れないケースも多い
飼い主にもしものことがあった場合、まず親族による引き取りが検討されることが多いですが、実際には難しいケースも少なくありません。
例えば
- 親族が遠方に住んでいる
- 動物を飼えない住宅に住んでいる
- すでに別のペットを飼っている
などの理由です。
その結果、すぐに引き取り手が見つからず、ペットが行き場を失ってしまうこともあります。
高齢者施設ではペットと暮らせないことも
高齢の飼い主が入院したり、介護施設や老人ホームに入ることになった場合、ペットと一緒に暮らせないケースも多くあります。
最近はペット可の施設も少しずつ増えていますが、まだ数は多くありません。
そのため、施設入居をきっかけにペットを手放さざるを得なくなることもあります。
こうした事情から、保護団体に相談が寄せられるケースも少なくないと言われています。
行き場を失ったペットが外に出されてしまうことも
残念ながら、飼い主が亡くなったあとや入院したあと、家族がペットを世話できず、外に出されてしまうケースもあります。
もともと室内で暮らしていた猫や犬は、急に屋外で生活することが難しく、事故や病気のリスクも高くなります。
地域によっては、近隣住民やボランティアが保護して新しい飼い主を探すこともありますが、すべての動物がすぐに助けられるとは限りません。
保護団体に相談が寄せられることも
こうした事情から、動物保護団体には
- 飼い主が亡くなった
- 入院して戻れない
- 施設に入ることになった
といった理由で、ペットの引き取り相談が寄せられることがあります。
保護団体は新しい飼い主を探す活動をしていますが、すべての相談に対応できるわけではありません。
そのため、ペットの将来については、できるだけ飼い主自身が元気なうちから考えておくことが大切だと言われています。
まとめ
こうした問題は決して特別なケースではありません。
日本では高齢化と単身世帯の増加により、飼い主にもしものことがあったときペットが行き場を失う問題が少しずつ社会課題として認識され始めています。
だからこそ、ペットと暮らす人には
「もしものとき、誰が気づくのか」
「誰が世話をするのか」
をあらかじめ考えておくことが大切です。
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この記事の執筆者 / 監修者

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動物専門・ペット特化のWebライター・ディレクター・デザイナー。慶應義塾大学環境情報学部を卒業後、大手企業で広報や編集校正の仕事を経て、猫専門ペットホテル猫専門ペットホテル・キャッツカールトン横浜代表、動物取扱責任者、愛玩動物飼養管理士。
幼少期から犬やリス、うさぎ、鳥、金魚など、さまざまな動物と共に過ごし、現在は4匹の猫たちと暮らしています。デザインと言葉で動物の魅力を発信し、保護活動にもつなげていきたいと思っています。
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