2025年最新の公的データに基づくと、日本には「クマの生息が確認されていない県(クマがいない県)」がいくつかあります。本記事では「どの県が熊がいないのか」「なぜいないのか」を公式情報・生態背景・分布データからわかりやすく解説します。千葉県(本州唯一)をはじめ、九州全域や沖縄、四国の一部など「熊が確認されていない地域」はどこなのか、具体的な理由も含めて紹介します
熊がいない県(結論)

日本には、ツキノワグマとヒグマが生息していますが、全国すべての都道府県にクマがいるわけではありません。
最新の自治体データや環境省の情報を整理すると、2025年時点で大きく3つのタイプの「熊がいない県」に分けられます。
ここではまず結論として、
- 完全にいない
- 実質いない
- 昔はいたが絶滅した
この3カテゴリーに分類して紹介します。
完全に生息記録がない県(現在も不在)
最新の公的データで「生息記録が一度も確認されていない」県です。
地理的条件や生態的な理由から、過去から現在まで野生のクマが定着していません。
- 千葉県(本州唯一のクマ不在県)
森林は残っているものの、房総半島は北側が利根川・江戸川で区切られ、他県からクマが移動しにくい地形。歴史的にも確実な生息記録がありません。 - 香川県(四国の不在県)
山地が少なく、生息可能な環境が極端に限られるため、過去の確実な生息記録がありません。 - 沖縄県(もともとクマの生息なし)
海で隔てられており、化石記録でもクマの痕跡なし。「日本で最も明確にクマがいない地域」。 - 離島(佐渡島・淡路島など)
海で完全に隔離されており、野生のクマが移動・定着する条件が揃っていません。
公式データがなく “実質いない” とされる県(痕跡なし・生息不明)
“絶対にいない”と断定はできないものの、
最新の自治体データや調査で 「定着した生息が確認されていない」=実質いない県 です。
- 愛媛県(四国:極小個体群の消失)
1970年代以降、確実な生息記録がなく「地域的絶滅」とみなされる状態。
公式には「生息している可能性は極めて低い」。 - 大阪府(紀伊山地からの迷入が“まれにある程度”)
大阪府内に定着した個体群は確認されていません。
奈良や和歌山から入ってくる一時的な目撃のみ。 - 高知県の一部(局所的すぎて実質ほぼ不在)
徳島・愛媛との県境で極少数が報告されるが、県内林道や平野部では生息が確認されていない地域が多い。最新の推定では、剣山周辺に 20〜30頭ほど生息という研究者コメント・報道が複数あります。 - 島部(壱岐・対馬・奄美など)
一部は森林が多いが、クマが定着する地理的条件を満たさないため実質不在。
“昔はいたが今はいない” 県(絶滅扱い)
過去にはツキノワグマが生息していたものの、開発・狩猟圧・森林の断絶などにより、すでに絶滅したとされる地域。
環境省が明確に「絶滅」と扱っている地域が含まれます。
- 九州地方(福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島)
かつては北部九州を中心にツキノワグマが生息していたが、
20世紀後半の森林伐採・開発により個体数が激減。
2012年、環境省が「九州地方のツキノワグマは絶滅」 と発表。 - 愛媛県(地域的絶滅扱い)
四国のツキノワグマは剣山系にわずかに生息するが、愛媛県域では1972年の個体以降、確実な生息記録なし。実質絶滅として扱われています。 - 広島・山口など一部地域(生息域の断絶により消失)
過去の文献では存在が示されるが、現在は安定した個体群なし。
🧭 県別:クマ生息ステータス一覧表(A/B/C分類)

- A:生息確認あり(現在も定着が確認される)
- B:実質いない(現在は生息確認なし/潜在分布の議論はある)
- C:不在扱い・地域的絶滅(長期記録なし/歴史的にも不在)
🟩 A:現在も生息が確認される都道府県(定着・個体群あり)
| 地域 | 都道府県 |
|---|---|
| 北海道 | 北海道(ヒグマ) |
| 東北 | 青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島 |
| 北陸 | 新潟・富山・石川・福井 |
| 関東 | 群馬・栃木・埼玉・東京(奥多摩)・神奈川 |
| 中部 | 山梨・長野・静岡 |
| 近畿 | 岐阜・三重・滋賀・京都・兵庫 |
| 関西南部 | 奈良・和歌山 |
| 中国 | 鳥取・島根・岡山・広島・山口 |
| 四国 | 徳島・高知(推定20〜30頭の極小個体群) |
🟨 B:生息確認はないが “潜在的に生息し得る” とされる県(実質いない)
| 都道府県 | 備考 |
|---|---|
| 茨城県 | 北部で散発的な痕跡の議論はあるが、定着生息は公式に確認されていない |
| 愛知県 | 古い分布図では隣接県に生息域あり。最新の分布調査では 「生息しない府県」扱いが多い |
⬜️ C:不在・地域的絶滅(長期的に記録なし/歴史的にも分布なし)
C-1:本州・四国(不在扱い)
| 都道府県 | 状況 |
|---|---|
| 千葉県 | 本州で唯一、公式に生息が確認されていない県 |
| 香川県 | 四国地域指針で 生息記録なし |
| 愛媛県 | 1970年代以降、確実な記録なし(地域的絶滅) |
C-2:九州(地域個体群として絶滅判定)
| 都道府県 | 状況 |
|---|---|
| 福岡県 | 2012年、環境省が 九州ツキノワグマ個体群は絶滅 と判断 |
| 佐賀県 | 同上 |
| 長崎県 | 同上 |
| 熊本県 | 同上 |
| 大分県 | 同上 |
| 宮崎県 | 同上 |
| 鹿児島県 | 同上 |
C-3:歴史的にも生息が確認されていない地域
| 都道府県 | 状況 |
|---|---|
| 沖縄県 | 化石・生息記録なし。歴史的にも現在もクマは分布しない |
現時点の公式・調査データでは「生息が確認されていない」とされていますが、野生動物の分布は将来的に変化する可能性があり、絶対不在を保証するものではありません。
特に九州については:九州個体群は「絶滅」と判断されていますが、山口県側の動向には引き続き注意が必要です。
地域別:なぜ熊がいないのか(理由)

「熊がいない県」には必ず理由があります。
共通するのは “地形の壁” と “生息環境の断絶”。
ここでは、主要な“不在地域”ごとに、クマが定着できなかった科学的・地理的な背景を解説します。
読者が知りたい「どうしてこの県には熊がいないの?」という疑問を、この章で一気に解消します。
千葉県|房総半島の地形・森林断絶でクマが入り込めない
千葉県は、本州で唯一の“クマがいない県” として知られています。
その最大の理由は、房総半島の “地形的な隔離” にあります。
熊がいない理由
- 北側が 利根川・江戸川 によって他県と隔てられ、クマが渡れない
- 平野部が広く、森林が連続していない
- 人口密度が高く、人間活動が活発で定着が困難
千葉県は山地が少なく、クマが生活するための
「隠れ場所」「冬眠場所」「エサの豊富な森林」が欠けています。
そのため歴史的にも現代でも、生息記録が見つかっていません。
九州(福岡〜鹿児島)|2012年、環境省が“絶滅”を正式認定
九州地方では、かつて北部を中心にツキノワグマが生息していました。
しかし森林の分断が進み、個体群が維持できなくなったことで衰退しました。
そして 2012年、環境省が正式に「絶滅」認定。
熊がいない理由
- 森林伐採・開発によって生息地が分断
- 個体数が減り、繁殖が維持できなくなった
- 最新の調査でも痕跡・目撃例がゼロに近い
現在、九州全県で“熊はいない”と判断される状況です。
検索者が最も知りたい「九州は本当に絶滅しているのか?」という疑問を解決する重要ブロック。
沖縄県|そもそも生息なし(化石記録もゼロ)
沖縄県は、**クマが「もともと存在したことがない地域」**です。
熊がいない理由
- 地理的に本州・九州から完全に海で隔離
- 過去にも化石・痕跡が存在しない
- 亜熱帯気候でクマの生息条件を満たさない
沖縄は森林が多いものの、クマが住むための
“冬眠に適した寒冷な環境” がなく、
進化史的にもクマが分布した形跡がありません。
「沖縄に熊っている?」という疑問に対して、
“歴史上も今もいない” と明確に伝えられる章。
四国の香川・愛媛|生息地の極端な断片化
四国地方は、徳島・高知の剣山系にのみ“約20頭”ほどの極小個体群が残っています。
しかし香川・愛媛では、生息地の断片化が極端に進み、熊が定着できない環境になっています。
熊がいない理由
- 山地が少なく、森林が細かく分断されている
- 連続した生息回廊(山脈)が不足
- 過去の記録はわずかで、現在は「地域的絶滅」
特に愛媛県は 1972年の個体を最後に生息確認なし。
香川は公式データがなく、実質的な生息可能性はほぼゼロ。
→ 四国の中でも“住める地域”がほぼないのが特徴。
島部(淡路島・佐渡島など)|地理的隔離で定着不可
島部は、地理的にクマが移動できないため
“熊がいない地域”として扱われます。
熊がいない理由
- 海で隔てられ、他県からクマが移動できない
- 生息可能な山地が小規模
- もともと定着した痕跡がほぼない
代表的な島
- 淡路島(兵庫県)
兵庫本土にはツキノワグマがいるが、淡路島に渡るルートがなく生息しない。 - 佐渡島(新潟県)
本土側にはクマが多いが、島には生息記録なし。 - 壱岐・対馬・奄美諸島など
森林はあるが、クマの定着条件を満たさない。
自分の県が「本当に安全」か調べる方法(自治体公式情報)

「熊がいない県」とされている地域であっても、将来にわたって完全に安全とは言い切れません。
熊は行動範囲が広く、環境の変化や人為的要因によって分布が変わることもあります。
「自分の住む県に本当にクマはいないのか?」
「ニュースで見たけれど、実際どれくらい注意すべきなのか?」
こうした疑問をもっとも確実に確認できる方法が、自治体(都道府県・市町村)が公式に公開している最新の出没情報や生息状況をチェックすることです。
SNSの噂やまとめサイトには、古い情報や誤解を招く内容も少なくありません。
熊は1日で数km以上移動することもあるため、「最新の公式情報」こそが安全判断の基準になります。
以下では、誰でも迷わず確認できる信頼性の高い「正しい調べ方」と公式情報の探し方をわかりやすく解説します。
公式サイトで必ず確認すべきページ
都道府県・市町村のWebサイトには、熊に関する情報が必ずどこかにまとまっています。
特にチェックしたいのは、以下の3つのカテゴリーにあるページです。
①「環境・自然保護」カテゴリ
多くの自治体が、熊の生息状況・被害対策をここにまとめています。
例:
- 「クマ出没情報」
- 「野生動物対策(ツキノワグマ)」
- 「注意報・警戒情報」
②「防災・安全」カテゴリ
市町村レベルで出る「注意喚起」や「目撃地点マップ」はここに掲載。
- 「防災情報」
- 「危険動物に関する注意」
- 「出没情報速報」
③「報道発表 / 新着情報」
目撃や捕獲は“速報扱い”として報道に近い形で更新されることが多い。
- 「記者発表資料」
- 「新着のお知らせ」
都道府県別|自治体公式サイト一覧
各都道府県の公式サイトが発信する「熊の出没情報」や「注意喚起」をまとめました。
地域によって情報の更新頻度や発信元(県庁・環境課・市町村)が異なるため、必ず最新の情報を確認し、安全対策を徹底しましょう。
※リンクは2025年時点で確認可能な範囲のものです。
| 地域 | 都道府県 | |
|---|---|---|
| 北海道 | 北海道 | エゾヒグマのみ。近年は道東・道北での出没が特に多く、農地や道路沿いでの目撃が増えています。 知床や阿寒など自然公園周辺は年間の出没件数が多めです。 |
| 東北 | 青森 | 県内の山間部で散発的に出没があり、春〜秋にかけて注意喚起が発信されることが多いです |
| 岩手 | 内陸部を中心に年間を通して出没情報が更新されています。 人家周辺まで出てくるケースも報告されています。 | |
| 秋田 | 県が頻繁に注意情報を更新しており、農地周辺での目撃数が多いのが特徴です。 | |
| 宮城 | 出没は多くありませんが、西部山地で不定期に目撃があります。 県は市町村ごとの情報をまとめて発信しています。 | |
| 山形 | 県の警戒情報が定期的に更新され、特に山沿い地域に注意が必要です。 | |
| 福島 | 里山の農地周辺で秋季の出没が増える傾向があり、各自治体で注意喚起が行われています。 | |
| 関東 | 栃木 | 県内の北部山間地で出没が報告されます。 登山道での遭遇事例に注意が必要です。 |
| 群馬 | 北部では出没注意報が出ることがあり、尾瀬周辺などの自然公園での目撃が散見されます。 | |
| 山梨 | 県東部や富士山麓での目撃が多く、ハイキング時の注意が呼びかけられています。 | |
| 東京 | 西多摩地域(奥多摩)での出没が主で、都が注意情報を発信しています。 | |
| 埼玉 | 秩父地域での報告が中心。平野部での出没はまれです。 | |
| 茨城 | 県として専用ページはないものの、里山地域でまれに目撃情報があります。 | |
| 千葉 | 「熊なし県」だが、県境部の注意喚起がまれに行われることがあります。 | |
| 神奈川 | 松田町など西部山間地域で町・市単位の注意情報あり 丹沢山地での出没情報が多く、登山者向けに注意喚起を実施しています。 | |
| 中部 | 新潟 | 中越地域を中心に山沿いでの目撃が増えており、県が毎年注意情報を出しています。 |
| 長野 | 北部を中心に広く出没があります。県は詳細な注意情報を公開しています。 | |
| 岐阜 | 飛騨地方で出没が多く、県による注意喚起が頻繁に更新されています。 | |
| 近畿 | 滋賀 | 県北部での出没が主で、農地被害との関連が指摘されています。 |
| 京都 | 北部の山間地域を中心に目撃例があります。 府は市町村の情報をまとめています。 | |
| 大阪 | 大阪府内には ツキノワグマの定着生息は確認されていません。 ただし、周辺府県(奈良・京都・兵庫)の山地では出没が発生しているため、 登山や里山歩きの際には各自治体の注意情報を確認しておくと安心です。 | |
| 奈良 | 紀伊山地周辺での出没が散発的にあります。 県は遭遇対策を中心に発信しています。 | |
| 和歌山 | 山間部でまれに出没するため、各自治体の注意喚起が中心です。 | |
| 兵庫 | 但馬地域を中心に出没情報が多く、県は定期更新しています。 | |
| 中国 | 鳥取 | 大山周辺での目撃や農地被害が報告されています。 |
| 島根 | 県中西部を中心に、山林周辺での目撃が確認されています。 | |
| 岡山 | 県北部で散発的な出没があります。 | |
| 広島 | 西部・北部で秋季に注意喚起が出ることが多いです。 | |
| 山口 | 市街地寄りの出没報告が増え、県は注意情報を発信しています。 | |
| 四国 | 愛媛 | かつては石鎚山地周辺にツキノワグマが生息していましたが、 近年の公式な出没記録はなく、現在は生息が確認されていません。 過去の分布域として、一部地域では注意喚起や啓発のみが行われています。 |
| 徳島 | 県北部の山地で出没が確認されています。 | |
| 香川 | 獣害としてのクマ記録は近年ほぼ無し。県は公式ページを持たず注意喚起中心です。 | |
| 高知 | 県境部の山間地域でまれに目撃があります。 | |
| 九州 | 九州全域 | クマの定着は確認されていませんが、情報確認のため県サイトへのリンクを掲載しています。 |
熊の出没情報を正しく判断するポイント
熊の出没情報は、単に「出た/出ない」だけで判断してはいけません。
以下の3つを見ると、危険度が正しくわかります。
① いつ出たか(更新日)
日付が1週間以内なら要警戒。
熊は広範囲を動くため、直近の情報がもっとも重要。
② どこで出たか(地図・地点)
- 山麓
- 登山道
- 農地
- 集落近く
どの場所に出たのかで危険性が大きく変わる。
※地図がない場合でも「住所」「地名」で検索すれば位置がイメージできます。
③ どういう状況だったか
自治体は出没の状況を必ずメモしています。
例:
- 山菜採り中の遭遇
- 農地での採食
- 住宅近くで目撃
- 子グマのみの目撃(=母グマ警戒)
危険度の判断材料:
✔ 子グマ → 母グマが近くにいるので最も危険
✔ 人里・住宅近く → 食物学習の可能性あり
✔ 繰り返し出る地点 → 特に注意が必要
熊がいない県でも出没情報を見るべき?」
A. はい、確認することをおすすめします。
一般に「熊がいない県」とされている地域でも、
迷い込んだ個体の目撃情報や一時的な出没が報告される可能性はゼロではありません。
熊は行動範囲が広く、
- 隣接県からの移動
- 山林環境の変化
- 人里での採食行動
などがきっかけで、これまで生息が確認されていなかった地域に現れることもあります。
そのため、
- 普段は熊がいないとされる県であっても
- 登山・キャンプ・山菜採りなどで山に入る場合や
- ニュースで目撃情報を見かけた場合は
自治体が発表している最新の出没情報を一度確認することが安心につながります。
「熊がいない県」という情報は長期的な傾向として理解し、
日々の安全判断は必ず最新の公式情報で行うことが大切です。
まとめ|熊がいない県は限られている。必ず最新情報を確認しよう

日本で「確実に熊がいない」と言える県は、一部の地域だけです。
千葉・九州・沖縄・香川・愛媛・島部など、地理的・生態的な理由から生息が確認されていませんが、
近年は山林の変化・餌不足・迷い込みなどにより、本来いない地域でも目撃されるケースが報告されています。
そのため、
- 「自分の県は安全」と思い込まず、最新の出没情報を必ず確認する
- 登山・キャンプ・山菜採りでは最低限の対策を行う
- 不安な地域は、市町村の公表ページで直近の状況をチェックする
これが大切です。
また、熊の生態や安全対策について知っておくと、
「どこが危険で、どこが安全か」をより正しく判断できます。
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この記事が、あなたの暮らしや外出を安心・安全にするためのヒントになれば幸いです。
必要に応じて随時更新し、最新の情報を反映していきます。
よくある質問(FAQ)

熊がいない県や地域について、特によく検索されている質問をまとめました。
不安を感じる時にまず知っておきたいポイントを、最新データに基づいてわかりやすく解説します。
千葉には本当にクマはいないの?
2025年時点で、千葉県にはツキノワグマの確実な生息記録はありません。
房総半島の地形的特徴(森林の分断・半島構造)により、他県からの移動がほぼ不可能なためです。
ただし、
・誤認通報
・犬・イノシシとの見間違い
が時々発生するため「目撃情報=生息」とは限りません。
九州には1頭もいないの?
九州北部〜南部(福岡・佐賀・長崎・大分・熊本・宮崎・鹿児島)は、環境省が2012年に“九州のツキノワグマは絶滅”と判断 しています。
過去数十年間、確実な痕跡(足跡・糞・爪痕)は確認されていません。
沖縄にはなぜクマがいないの?
沖縄は本州・九州と繋がっておらず、もともとクマの生息地になり得ない地理構造です。
化石記録や痕跡の報告もなく、歴史上も存在しません。
四国にはクマがいるの?いないの?
四国4県では、
- 愛媛・香川 → ほぼ“実質いない”(確実な痕跡なし)
- 高知・徳島 → 生息の可能性が極めて低い/近年データなし
高知・徳島:剣山系などに推定20〜30頭が生息するが、島全体では極めて小さな個体群で絶滅危惧レベルです。
熊がいない「山」はどこ?
以下の条件に当てはまる山は、「熊がいない山」として知られています。
✔ 標高が低く、森林が断片化している
✔ 島部・半島部で、ほかの生息地と繋がっていない
✔ 九州以南の山(九州・沖縄など)
例:現時点の知見ではクマ出没の可能性が非常に低い例です。
- 千葉県:房総の山(鋸山・富山など)
- 四国:北部の里山
- 九州:由布岳・九重山系など
ただし “100%いない山”は少ないので、登山前には自治体の最新情報を要確認です。
熊がいない県=安全だと言える?
完全な意味で「安全」とは言えません。
理由は以下の通り:
- クマは1日数km~10km移動することがある
- 隣県から“迷い込み”が起きる可能性がある
- 誤認通報が混在する場合がある
- 山菜採りや登山では別の野生動物の危険性もある
最終的には必ず
- 市町村の出没情報ページ
- 最新の注意報(防災メール等)
で確認するのが確実です。
都会(東京・横浜・名古屋・大阪)にはクマは出る?
ほぼ出ませんが、“ゼロ”ではありません。
東京では2023年に多摩地域で散発的に目撃され、名古屋近郊の山間部ではまれに目撃されています。
ただし、23区・横浜市中心部・名古屋市街・大阪市街地は生息圏外として問題ありません。
熊がいない県にも注意報が出るのはなぜ?
以下の理由があります:
- 隣県の熊が迷い込むケース
- 誤認通報の検証
- 予防的に広域に注意喚起を出す自治体もある
- 「絶滅した地域」でも調査目的で注意喚起を続けることがある
つまり「注意報=生息」ではないことに注意が必要です。
登山・キャンプで“熊対策をしなくていい地域”はある?
熊がほぼいない地域でも、最低限の対策は必要です。
- 食べ物を放置しない
- 単独行動を避ける
- 朝夕の薄暗い時間帯に行動しない
熊だけでなく、イノシシ・シカ・サルとの遭遇リスクもあるためです。
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この記事の執筆者 / 監修者

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動物専門・ペット特化のWebライター・ディレクター・デザイナー。慶應義塾大学環境情報学部を卒業後、大手企業で広報や編集校正の仕事を経て、猫専門ペットホテル猫専門ペットホテル・キャッツカールトン横浜代表、動物取扱責任者、愛玩動物飼養管理士。
幼少期から犬やリス、うさぎ、鳥、金魚など、さまざまな動物と共に過ごし、現在は4匹の猫たちと暮らしています。デザインと言葉で動物の魅力を発信し、保護活動にもつなげていきたいと思っています。
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