生息地はオーストラリアのタスマニア

タスマニアデビルはオーストラリアのタスマニア島のみに分布。
家畜を襲う害獣とされ、駆除対象とされて個体数が激減しました。
その後、絶滅危惧種として保護されて数を回復してきていましたが、顔の癌「デビル顔面腫瘍性疾患(DFTD)」がまん延したことで、再び絶滅の危機にさらされます。
現在は絶滅危惧種?国際自然保護連合(IUCNレッドリスト)
その後2006年国際自然保護連合(IUCNレッドリスト)「絶滅危惧種\絶滅の可能性は極めて高い」動物として保護対象になり、少しずつ生息数は回復しました。
しかし「タスマニアデビル顔面腫瘍病(DFTD)」という伝染性で致死率の高い病気で生息数は減少し、絶滅危惧種となっています。
日本での飼育は?
タスマニアデビルは生息数が少ないため、タスマニア州により個体数の管理をしています。
日本では2023年現在多摩動物公園でのみ飼育していましたが、最後の一頭だったオスのテイマーが10月に死亡し、日本国内にはタスマニアデビルはいなくなりました。

タスマニアデビルの病気には癌が多い?
タスマニアデビルは顔の癌「デビル顔面腫瘍性疾患(DFTD)」があります。
タスマニアデビルは気が荒いため、繁殖期や動物の死体を取り合うときに、互いに噛みつく習性があります。
その傷口から顔や口の中に伝染性の癌が広がり、感染すると海綿状の口内炎を引き起こして口がただれ、やがて餓死する。致死率はほぼ100%という恐ろしい病気です。
最近では、このタスマニアデビルもDFTDに対する免疫ができてきて、個体数が回復してきているという研究成果も出ています。
タスマニアデビルの寿命は?
タスマニアンデビルの寿命は野生で5〜6年、飼育下で6〜7歳といわれています。
一番最近亡くなった多摩動物公園のテイマーの場合、7才でした。
タスマニアデビルの食べ物

タスマニアデビルは最大の肉食有袋類。
死んだ動物を主食とする死肉食動物(スカベンジャー)、森の掃除をしてくれるのですね。
実はあまり狩りが得意でなく、鋭い嗅覚で動物の死体を見つけて食べます。
通常の肉食獣はやわらかい内臓を先に食べるのですが、タスマニアデビルは動物の骨を噛み砕き、骨がついた部分をバキバキと好みます。
1日に自分の体重の15~40%も食べるとか。
真っ黒な体色。大きく開く口。するどい歯。そして「タスマニアデビル」という名前から、皆さんはどんな動物を思い浮かべますか? 多摩動物公園は日本で唯一、タスマニアデビルを飼育展示している動物園。展示場でのその姿を見てみると・・・ pic.twitter.com/REAIkXlphr
— 多摩動物公園[公式] (@TamaZooPark) June 18, 2017
いちばん大きい肉食有袋類とはいっても、たぬきほどの大きさ。
タスマニアデビルはアゴの力が強く、80度まで開くことができます。
金属をかみくだくため、家畜や他の動物のケージを破壊することも。
日本ではタスマニアデビルを飼育している動物園が3つありました。
残念ながら2023年10月に多摩動物公園で飼育していた「テイマー」の死亡にともない、現在飼育している動物はいなくなりました。くわしくはこちら↓

タスマニアデビルはなぜ「悪魔」などと不名誉な名前がついてしまったのか、見た目がかわいいのになぜ怖いといわれるのかを解説した記事はこちら↓

タスマニアデビルが生息している場所や食べもの、寿命など生態を解説したのはこちら↓

日本にいたタスマニアデビルの動物園についてはこちら↓


投稿者プロフィール

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ねこねこ王国運営者。慶應義塾大学卒、一般企業で広報、編集校正の仕事を経て、現在は動物ライター&デザイナーとして活動。会員制猫専用ホテル&ペットシッターキャッツカールトンを運営(動物取扱業)。動物取扱責任者、愛玩動物飼養管理士。現在は猫4匹と暮らす。幼少時から犬、リス、うさぎ、鳥、金魚などさまざまな動物と過ごし、生き物を愛してやまない毎日です。
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