【訪問記】北海道のぼりべつクマ牧場完全ガイド:絶景とここだけの特別アクティビティ体験

のこと。マルシェ種類ごとに一覧で紹介する動物の図鑑
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12年目歴代最長ボスクマ「ダイキチ」に会いに行こう!(第1牧場)

エゾヒグマは日本に生息している陸上動物の中では一番体の大きい動物。

クマ牧場では『オスのダイキチ』12年連続でボスクマになりました。第1牧場で会えます。

ダイキチは現在18歳、2012年、7歳のときからボスの座を守り続けています。

体長2.6メートルで体重480キロ。温和で他のオスを攻撃したりせず、人徳?クマ徳です。

中央にいるのがダイキチ・第1牧場にて

実際に熊牧場に行くと、ダイキチはすぐに分かりました。一回り大きく、オーラがあるというのか(?)

ダイキチの紹介文・連続12年不動のボス

ダイキチは双子の妹のナッツと仲良し。

記者(らみえる)

ここでは毎年ボス争いがあると聞きましたが、どうやってボスが決まるんですか?

飼育員吉見さん


繁殖期の5月から7月にかけて、オス同士でボス争いが行われます。主にマーキングの頻度や威嚇の結果で決まります。取っ組み合いになることもありますが、最近はあまり大きな争いはありません。威嚇したときにどちらが引くかで力関係が決まることが多いですね。

記者(らみえる)

つまり、クマ同士で見つめ合ったり威嚇し合って、ボスが決まるんですね。

飼育員吉見さん

そうです。直接喧嘩になることは少なく、マーキングや威嚇の結果で自然と決まります。ただ、過去には激しい取っ組み合いが起きたこともありました。現在のボス「ダイキチ」はとても穏やかで、クマたちをうまくまとめています。

記者(らみえる)

ボスがいることで群れは安定するんですね。

飼育員吉見さん


はい、ボスがいることでクマたちの間の争いも少なくなり、平和が保たれます。新しいオスが入ってくると再び力関係が確認されることもありますが、今の群れはとても落ち着いています。

記者(らみえる)

ボス争いが激しくなることもあるんですか?

飼育員吉見さん

はい、個体によりますが、過去には何度も喧嘩してボスが決まったこともあります。ですが、「ダイキチ」は穏やかなリーダーで、クマたちとの関係も安定しています

記者(らみえる)

クマの世界でも、穏やかなリーダーシップが重要なんですね

「ダイキチ」
生年月日:2006年1月27日生まれ、現在18才(2024年9月現在
第20代目ボス就任:2013年7月(就任時7才)
体重:約480kg(2021年計測)
身長:約260cm
頭胴長:約230cm

ヒトが入る?クマのオリ体験

これを楽しみにのぼりべつクマ牧場を訪問しました。

人が立てるほどの通路(オリ)の周囲をクマが取り囲んでいます。チューブ越しにエサやりもできます。

ヒトのオリでは人がクマに囲まれる体験

うーん、やはり、写真だと迫力が伝わりません。

ガラス越しに見るクマは迫力

でも実際、このガラスがなかったらと思うと、怖いでしょうね。

大きさが伝わらないので手の大きさと比較

ときどき窓ガラスに水が流れます。

水を舐めとるクマはさらに迫力

水をなめとるクマさんです。

大きな舌

これほど至近距離でヒグマを見られる施設、他にないのでは、ないでしょうか。ぜひ訪れてみてください。

飼育員さんの1日密着取材

飼育員さんの吉見さんの1日をのぞいてみました。

1日のスケジュールと仕事について聞いてみた!

記者(らみえる)

出勤後の最初の作業は何をされますか?

飼育員吉見さん

ロープウェイで山頂に上がり、作業着に着替えたら、「第1牧場」や「第2牧場」の展示エリアで、クマたちをバックヤードから展示スペースに移動させます。

記者(らみえる)

クマたちを展示場に出した後は?

飼育員吉見さん

クマは現在68頭いて、複数頭ずつの群れを作って飼育しています。

展示のスペースが限られているため、基本的には群れごとにローテーションで出しています。

その間にバックヤードを掃除し、エサを用意して次のクマのグループを展示に出します。これを繰り返します。

記者(らみえる)

エサの準備について教えてください。

飼育員吉見さん

牧場は3つのエリアに分かれており、それぞれのエリアでエサを準備し、クマたちに届けます。

牧場内には坂道が多く、特に冬場は雪の中、長靴を履いてひたすら登ったり降りたりの作業になるため、体力が求められます。

記者(らみえる)

聞いてるだけでものすごく体力を使いますね、ここまでで午前ですか! 

さらに午後の業務内容について教えてください。

飼育員吉見さん

午後は展示場でのクマの収容や、治療が必要なクマのケア、古い施設の修繕を行います。

日々のクマの行動をパソコンで記録し、健康管理も徹底しています。

記者(らみえる)

クマの健康管理で気をつけていることは何ですか?

飼育員吉見さん

例えば、第一牧場には18歳のクマがいて、脊椎症などの年齢に伴う病気を患い始めた個体もいます。

そろそろ引退も視野に入れ、若いクマたちと交代しつつ、群れを維持できるように配慮しています。

記者(らみえる)

なるほど、クマを群れごとの管理するとのこと、大変そうです。

飼育施設の工夫について教えてください。

飼育員吉見さん

牧場全体で68頭のクマを飼育していますが、展示に出るのはだいたい20頭で、残りはバックヤードで過ごしています。

クマは年齢や体格などで一緒に展示するのが難しい組み合わせもあります。

若いうちから一緒に育て、協調性を持たせる工夫をしています。

記者(らみえる)

飼育員としてのクマの魅力はどんなところですか?

飼育員吉見さん

クマは一頭一頭個性があり、表情も豊かです。

毎日観察していると、クマの性格や気分がわかるようになり、日々新たな発見があっておもしろいですね。

記者(らみえる)

お気に入りのクマについて教えてください。

飼育員吉見さん

「ニイヨ」というクマがお気に入りです。大きな体格といつもまぶしそうな目が特徴。

冬になると豊満ボディでボインボインになって、丸々として、それがとてもかわいいんです。

双子の妹の「ニイサ」は白い毛の色でとても人気があったので、陰に隠れるようにしていましたが、私の推しはニイヨです笑。

記者(らみえる)

クマ愛を感じます笑。

飼育員さんの数が限られる中で68頭のクマの管理、大変ですね!

飼育員吉見さん

クマは年齢差や体格差があり、相性が悪いとケンカになります。クマ同士のケンカは命の危険もあります。

最近分かってきたのが、成獣になってからじゃなくて、小さい幼獣のころから一緒にしておくと、合流しやすいというのが分かってきました。

若いうちにどんどんやっていこうという流れにしています。

たくさんのクマたちから、展示場に出せる群れを作り管理、グループメンバーの追加するのも、とても大変だそうです。とてもがんばっている飼育員さんたちに頭が下がります。

冬の気候は厳しいですが、雪のクマ牧場もまたとても美しいそうです。季節を変えてまた訪れてみたいですね。

この記事の執筆者 / 監修者

らみえる
らみえる
▷動物専門・ペット特化ライター&デザイナー
▷慶應義塾大学卒
▷会員制ねこ専用ホテル&シッター・キャッツカールトン代表
▷動物取扱責任者・愛玩動物飼養管理士
▷現在は猫4匹との暮らし。幼少時から犬、リス、うさぎ、鳥、金魚などさまざまな動物と過ごし、生き物を愛してやまない毎日。
▷前職は一般企業で広報、編集校正やってました。
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