トナカイは空を飛ぶ動物!?そもそも実在するの?
子供から大人まで、私たちが毎日見る動物園やテレビでの映像、また、クリスマスの時期にはサンタクロースのそりを引くお馴染みのキャラクターとして登場するトナカイ。
トナカイを実際に見たことがある人は少ないでしょう。
クリスマスに駆けめぐるサンタクロースの場所がわかるサイトがあります!
実はトナカイは架空の動物だと思っている人が1割いるそうですよ。
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— KSL-Live!(竹本てつじ) (@ksl_live) December 21, 2017
トナカイは
とある『トナカイ』に関するアンケート調査によると、「トナカイは架空の動物か絶滅した動物である」と認識している人が10%もいることがわかりました。(2021年12月21〜22日/回答者401名)
- 実在する動物 90%
- 架空の動物 6%
- 絶滅した動物 4%
サンタクロースと一緒に空を飛ぶイメージが強すぎるのかもしれませんね。
もちろん実際には空を飛びませんが、トナカイは実在しています。
北海道のトナカイ観光牧場にたまに「道路にトナカイがいた!」って通報があるんだって(笑)
わたしは北海道の幌延(ほろのべ)にあるトナカイ観光牧場で、初めてトナカイを見ました。
一方、四季折々の風情を彩ってくれる鹿といえば、日本の風景に欠かせない存在ですよね。
この二つ、一見似て非なる動物、その違いを知っていますか?
シカとトナカイは見た目は似ていますが、生息環境、体の特徴、そして生態など、さまざまな点で違いがあるのです。
この記事では、子供でも分かるように、トナカイとシカの違いについてわかりやすく解説します。
トナカイとシカ、一見すると似ているようでいて、実はそうではない。
意外と知られていないその違いを、一緒に学んでみましょう!
違いは8つあります。
違い④トナカイはメスにも角がある?シカの角(ツノ)との違い・毎年生え変わるの?
違い⑥トナカイと鹿の足ってどんな風?行動範囲の違いも比べてみた
違い①トナカイと鹿は何科?どんな種類があるの?
トナカイは日本であまり見かけないけど、シカとどう違うの?
トナカイとシカは、両方ともシカ科の一種。
トナカイ | シカ |
---|---|
偶蹄目シカ科トナカイ属 | 偶蹄目シカ科シカ属(18種) |
トナカイは鹿の一種でトナカイ1種のみ
トナカイはシカの一種です。
トナカイは、シカ科の中のトナカイ属で、トナカイ1種のみ。
鹿はニホンジカなど18属
シカ科にはニホンジカ、トナカイ、ヘラジカなどが属しており、18属前後います。
一般的に日本でシカというと、ニホンジカのことを指します。この記事でもニホンジカを前提に解説していきます!
違い②トナカイと鹿の生息地の違い!どこに住んでいるの?
トナカイはサンタクロースのイメージ通り、寒い地方の北極圏に住んでいます。
シカは世界中に分布しています。
トナカイの生息地はとにかく寒い!
トナカイはもともとは北極圏周辺に分布している生き物です。 アメリカ合衆国(アラスカ州)、カナダ、デンマーク領グリーンランド、ノルウェー、フィンランド、ロシアなどで生息が確認されています。
ただしユーラシア大陸に住む方をトナカイ(ツンドラトナカイ)、北アメリカに住む方をカリブー(シンリントナカイ)と呼ぶこともあります。
ユーラシア大陸 | 北アメリカ |
---|---|
トナカイ(ツンドラトナカイ) | カリブー(シンリントナカイ) |
ただし家畜としてもさまざまな地域で飼われています。
鹿の生息地
鹿は世界的にたくさん生息しています。ただし日本で単に「シカ」というときは、ほとんどがニホンジカを指します。
ニホンジカも実際は住む地域などよりさらに7種類(エゾシカ、ホンシュウシカ、ヤクシカなど)にわかれますが、この記事ではひとくくりにしてニホンジカとして扱います。
違い③トナカイと鹿の大きさの違いは?体型の違いを解説
トナカイのほうが鹿よりかなり大きく感じます。
トナカイを初めて見た印象は「奈良公園あたりにいるニホンジカよりひとまわりふたまわり、大きいなあ!
トナカイ | 鹿 |
---|---|
体長2m前後(160〜220cm) 体重120〜180kg | 体長は90-150cm 体重25-130kg |
トナカイは鹿よりひとまわりふたまわり大きい!
トナカイは体長2m前後、体重は120kg-180kgと、大きいです。
トナカイは実際には日本で奈良公園や宮島で見るようなシカよりひとまわり、ふたまわりも大きいのですぐわかります。
鹿は小柄
体長は90-150cmで体重25-130kg。
日本にいるシカはすべて「ニホンジカ」。繰り返しになりますが、日本で単に鹿、というのは、シカ科シカ属ニホンジカのことを言います。
奈良公園や広島の宮島などですね。
実際に小学生の子供と比べてみましょう。上のトナカイの写真と比べてもちょっとわかりにくいかもですが、実際に見るとだいぶ大きさが違います。
違い④トナカイはメスにも角がある?シカの角(ツノ)との違い・毎年生え変わるの?
トナカイはオスメス共に角が生えていて、鹿はオスのみに角が生えています。
トナカイもシカも角は生え変わるのですが、それぞれ時期が違います。
トナカイ | 鹿 |
---|---|
オスメス共に角がある | 角があるのはオスのみ |
オスメスで生え変わる時期が違う | 毎年3月頃生え変わる |
トナカイはオスメス両方に角がある!
トナカイはシカ科で唯一オス・メス共に角が生えています。
メスにも角がある理由は次章で食べ物の違いに書きましたが、トナカイは気候の厳しい北極圏に生息して、冬の間など雪や地面を掘り起こして苔を食べるためにメスも角を持っています。
ただしオスでも去勢されると角が抜け落ちません。
- オス=春に生えて秋冬に抜け落ちる
- メス=冬に生えて春夏に抜け落ちる
サンタクロースに出てくるトナカイは実際にはオスとメス両方が入り混じっています。
実際にはサンタクロースのトナカイにはちゃんと名前や性別などがあるんだよ!
鹿のツノはオスのみ角が生える?
トナカイはオスメス両方ツノがはえるのに対して、鹿の場合はオスのみ角が生えます。
鹿の角は毎年3月頃に生え変わります。角には血管が通っているんですよ。
鹿の角切り
ただし日本にいる鹿は観光名所にいることが多く、角で人間がケガをすることを防ぐために、オスの角を繁殖期には切断します。
違い⑤トナカイと鹿の食べ物の違いは?
トナカイは草食寄りの雑食。草葉やベリー、キノコ、虫など、頑丈なヒヅメで冬は雪を掘って地衣類を食べます。
厳しい冬の間は植物も生えないため、地面を掘り起こすためにメスも角を持っています。
一方で鹿はイネ科の草、葉、ドングリ、笹など中心にほとんどどの植物を食べます。日本では鹿が爆発的に増えていることで、現在は食害が問題になっています。
トナカイ | 鹿 |
---|---|
草食寄りの雑食。草葉やベリー、キノコ、虫、地衣類 | イネ科の草、葉、ドングリ、笹など中心にほとんどの植物 |
違い⑥トナカイと鹿の足ってどんな風?行動範囲の違いも比べてみた
「シカ」とは偶蹄目(ぐうていもく)シカ科に属する生物です。
トナカイも偶蹄目シカ科の一種。
偶蹄目というのは2本や4本など偶数のひづめをもつのほ乳類の総称。
ヒヅメの形はトナカイのほうが鹿より大きくて平たいです。
トナカイ | 鹿 |
---|---|
1000キロ以上移動 | 0.5〜2平方キロメートル |
トナカイはとても広大な範囲を移動するのですね。
ユーラシア大陸やアメリカ大陸といった巨大な空間を移動して暮らせるように、トナカイの足は適応しています。
トナカイの足跡は?移動範囲はどのくらい?
トナカイのヒヅメはとても平たくて大きいです。「パー」の形をしているように感じました。
1000キロ以上の距離を移動するというのもうなづけます。
鹿の足跡やヒヅメの形
一方で鹿の移動範囲はとても狭く、0.5~2平方キロメートル。
ヒヅメもトナカイに比べると小さいです。カモシカはおまけです。
違い⑦トナカイは家畜化されたが鹿は家畜にならなかった
トナカイは早い時期から家畜化されていましたが、鹿は家畜化されていません。
トナカイ=馴鹿と漢字で書くほど人に馴れ家畜化されている
トナカイは「馴鹿」と書きます。「馴鹿」と書いて「トナカイ」と読むんです。
つまり、人に馴れやすい動物で、昔から家畜として飼いならされてきました。
トナカイは家畜として、肉をいただき毛皮を使い、角は薬に…余すところなく、人間は長い歴史をトナカイの恩恵に預かってきました。
幌延町のトナカイ観光牧場でも、わたしが歩くとトナカイがこうやって後をくっついてくるんです。
エサが欲しかったのかもしれませんが、わたしはエサを持っていたわけじゃないんですよ。
英語ではReindeerと言います。
トナカイはアイヌ語で「トゥナカイ」であることから、トナカイと言われるようになりました。
英語ではReindeerと言います。
鹿は家畜化されなかった
一方で鹿は家畜化されていません。家畜化されなかった理由にはいくつかあります。
- 運動能力が高く、2m近く跳躍する
- 群れをコントロールしにくい
- 飼育に広い空間が必要
- 食肉としての需要が少ない(ジビエ/珍味として食材に供される程度)
- 日本の場合古来からの神獣であった
などが理由と考えられます。
違い⑧トナカイと鹿の体毛には白い斑点はあるの?ないの?
トナカイは一年を通して白い斑点はないです。
鹿は夏の体毛に白い斑点があります。
体毛はどちらも褐色が基本で、冬になると灰色がかった灰褐色になります。
トナカイ | 鹿 |
---|---|
褐色(夏)〜灰褐色(冬) 夏に白い斑点はない | 褐色(夏)〜灰褐色(冬) 夏に白い斑点がある |
この写真は夏の鹿ということになりますね。
以上、トナカイとシカの違いについて解説してみました!
生息地の違い、角の形状、そして体の大きさなどから、シカやトナカイを見分けることができますね。
トナカイは北極地方を中心に生息し、体が大きく、雌雄ともに角があります。
一方、シカは全世界に広く生息しており、角はオスにしかありません。
違いを知ることで動物の見方がかわる
違いを知ることで、動物の見方が変わります。
これからも動物や生き物に興味を持ち、みなさんも日常の中で「あれ?この違いはなんだろう?」と思うことがあったらぜひ調べてみてくださいね!
意外な発見があるかもしれませんよ。
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この記事の執筆者 / 監修者
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▷動物専門・ペット特化ライター&デザイナー
▷慶應義塾大学卒
▷会員制ねこ専用ホテル&シッター・キャッツカールトン代表
▷動物取扱責任者・愛玩動物飼養管理士
▷現在は猫4匹との暮らし。幼少時から犬、リス、うさぎ、鳥、金魚などさまざまな動物と過ごし、生き物を愛してやまない毎日。
▷前職は一般企業で広報、編集校正やってました。
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