ツキノワグマ生息地マップ|日本の分布・都道府県別まとめと最新出没情報

のこと。マルシェ兵庫ペット医療センター

日本にはツキノワグマとヒグマ、2種類のクマが生息しています。

本州・四国にはツキノワグマが分布し、北海道にはツキノワグマはおらずヒグマのみが生息します。

ツキノワグマは東北や中部に大きな個体群を持つ一方で、四国では十数頭規模、九州ではすでに絶滅とされるなど地域差が大きいのが特徴です。

登山や観光で山に入る人にとって「どこにツキノワグマがいるのか」を知ることは安全対策の第一歩。本記事では、都道府県ごとの生息状況と最新の出没傾向、安全に自然を楽しむためのポイントをわかりやすくまとめます。

この一覧は、自治体が公表している保護管理計画や出没情報などをもとに整理したものです。ただし、ツキノワグマの正確な生息数は調査手法や年度によって変動し、公式データが存在しない地域もあります。

そのため「生息していない」と断定できない県もあり、隣接地域からの移動や一時的な出没が起こる可能性は常に考慮する必要があります。

クマの活動は季節や餌の豊凶に左右されるため、春の山菜採りや秋のドングリ不作の年には人里での遭遇が増える傾向があります。

登山やキャンプ、里山での活動の際には、事前に自治体が発信する最新の「出没情報」や「注意喚起」を必ず確認し、クマ鈴・ラジオ・食料管理といった基本的な安全対策を徹底しましょう。

目次

日本全体のツキノワグマについて

ツキノワグマの生息状況は、日本列島の地域ごとに大きな差があります。

北海道にはツキノワグマはおらずヒグマのみが生息し、本州では東北・中部を中心に大きな個体群が確認されています。一方で、四国には十数頭程度の極小個体群しか残っておらず、九州ではすでに絶滅とされています。ここでは、北海道から九州まで各地域・都道府県ごとの生息状況を一覧にまとめました。

日本のクマ生息都道府県一覧(地域別)

34都道府県でクマが恒常的に分布しています。


地域都道府県
北海道北海道(ヒグマのみ、ツキノワグマ不在)
東北青森県/岩手県/宮城県/秋田県/山形県/福島県
関東茨城県/栃木県/群馬県/埼玉県/東京都/神奈川県
北陸新潟県/富山県/石川県/福井県
中部山梨県/長野県/岐阜県/静岡県/愛知県
近畿滋賀県/京都府/大阪府/三重県/奈良県/和歌山県/兵庫県
中国鳥取県/岡山県/島根県/広島県/山口県
四国徳島県/高知県(※愛媛県も石鎚山地周辺に極小個体群あり)

クマがいない都道府県は?

下記の都道府県にはクマが確認されていません。

地域生息記録なし
北海道北海道(エゾヒグマのみ)
東北
関東千葉県に生息データなし
北陸
中部
近畿
中国
四国香川県と愛媛県に生息データなし
九州福岡県/佐賀県/長崎県/熊本県/大分県/宮崎県/鹿児島県
沖縄沖縄県

都道府県別クマ出没関連情報(公式サイトリンク集)

自治体が発信する最新の「出没情報」や「注意喚起」を必ず確認し、クマ鈴・ラジオ・食料管理といった基本的な安全対策を徹底しましょう。

地域都道府県
北海道北海道
東北青森
岩手
秋田
宮城
山形
福島
関東栃木
群馬
山梨県公式レベルでの一括出没情報専用ページは2025年8月時点でヒットせず、主に各自治体や環境課で個別に発信中
東京
埼玉
茨城県公式サイトによる専用のクマ出没情報マップはなし(2025年時点で県内での野生クマ目撃はまれ。注意喚起・管理計画は策定済み)
千葉生息域が確認されておらず「ツキノワグマなし県」
※県公式の出没専用情報ページはありません。
神奈川松田町など西部山間地域で町・市単位の注意情報あり
県公式レベルでは全域一括のクマ出没情報専用ページは設置されていません。
中部新潟
長野
岐阜
近畿滋賀
京都
大阪
奈良
和歌山
兵庫
中国鳥取
島根
岡山
広島
山口
四国愛媛県内での近年の目撃・出没事例はなく、高知・徳島との県境山系で生息が確認されています。対応方法や啓発情報が中心
徳島
香川香川県内では近年のクマ出没公式記録無し、公式県サイトで警報や目撃記録のページは設置なし
高知
九州九州全域

北海道|ツキノワグマは生息せず、ヒグマのみ分布

北海道にはツキノワグマは生息していません。代わりに生息しているのは、世界的にも大型の「ヒグマ(エゾヒグマ)」です。

本州以南で見られるツキノワグマとは別種で、体格も行動範囲も大きく異なります。

そのため「ツキノワグマ 北海道」で検索すると混乱する人が多いのですが、北海道のクマはすべてヒグマです。

登山やキャンプではツキノワグマ用ではなく、ヒグマを想定した安全対策(食料管理・クマよけスプレー携帯など)が必須となります。

ヒグマについてはこちら↓

北海道自然環境局(自然環境課・野生動物対策課)の公式サイトで出没情報を見てみる!>>

北海道自然環境局ヒグマ出没情報【市町村ヒグマ関連情報リンク集】を見てみる!>>

東北地方のツキノワグマ生息状況(日本最大の分布域)

東北地方は日本で最もツキノワグマが多く生息している地域です。特に岩手県は全国最大級の個体数を誇り、青森・秋田・山形・福島も山岳地帯を中心に安定した個体群が確認されています。

春の山菜採りや秋の実り不足の年には人里への出没も多く、登山や観光の際は十分な注意が必要です。ここでは東北5県ごとの生息状況と特徴をまとめます。 

〔出典:環境省東北地方環境事務所野生生物課


青森県|白神山地に安定した個体群


青森県公式Webサイトを見てみる!>>


岩手県|全国最大級の個体群

岩手県は令和2年度末時点で推定3,700頭、2024年推計で1,937~3,861頭(中央値2,718頭)と全国最大規模。

県内山林はほぼ全域が生息地で、ヘアトラップ調査で科学的に管理されています。

岩手県のツキノワグマ被害防止対策(岩手県環境生活部自然保護課)

ツキノワグマによる人身被害状況・出没状況(岩手県)を見てみる!>>

岩手県のページ(外部サイトへリンク)


秋田県|出没ニュースが多い県

全域にツキノワグマが広く生息。出没件数は2番目に多く、2025年も多数の出没警報・注意喚起が発令されています。

春の山菜採り・タケノコ採りシーズンに出没増、県が「出没警報」や注意を呼びかけています。

出典:秋田県「ツキノワグマ出没情報

宮城県

宮城県公式Webサイト「クマに関する情報」のページを見てみる!>>


山形県|出羽三山や朝日連峰に広く分布

山形県では出羽三山や朝日連峰、飯豊山地などの山岳地帯にツキノワグマが生息しています。

県内で市街地や山間部を中心に多数のツキノワグマ目撃事例が報告され、詳細な最新の目撃マップも公式サイトから確認できます。

山形県「クマに関する情報」を見てみる!>>


福島県|会津を中心に広く分布

福島県もツキノワグマが広く分布する県のひとつで、とくに会津地方や奥羽山脈沿いでの生息が確認されています。

福島県の公式サイトでは、毎年ツキノワグマの目撃や出没が多数発生しており、「ツキノワグマ出没特別注意報」を令和7年9月15日まで発令しています。


福島県公式Webサイトを見てみる!

関東地方のツキノワグマ生息状況

栃木県|日光を中心に

栃木県は関東でも代表的なツキノワグマの生息地で、奥日光や那須連山を中心に広く分布しています。

群馬県|赤城山・谷川岳に生息

群馬県では赤城山や谷川岳などの山岳地帯を中心にツキノワグマが確認されています。

山梨県|富士山北麓や南アルプスに分布

山梨県は中部地方に分類されることもありますが、関東圏からの利用者が多いため紹介します。富士山北麓や南アルプスなどにツキノワグマが広く分布しており、特に登山客の多い地域での目撃が頻発します。

東京都|奥多摩に局所的な生息

東京都では23区部や平野部にツキノワグマは生息していませんが、西部の奥多摩山地では目撃例があります。個体数を示す詳細データは少ないものの、秩父山地や山梨方面とつながる山域で移動個体が確認されています。

埼玉県|秩父山地を中心に生息域あり


埼玉県では秩父地域(両神山、奥秩父連山、小鹿野町、皆野町、寄居町など秩父西部)を中心にツキノワグマが生息し、毎年出没・人身被害も報告されています。県西部・北部の山間部が主な生息域となります。埼玉県レッドデータブックで「準絶滅危惧」に指定されています。

茨城県|北部山地で目撃は断続的

2025年時点でも「恒常的な生息域ではない」と茨城県自身が発表。北部の大子町・常陸太田市・高萩市・北茨城市でごくまれな目撃・痕跡・被害があるものの、定着した個体群は確認されていません。管理計画上は「非定着」扱いです。

神奈川県|丹沢山系に生息

丹沢山地(神奈川県)のツキノワグマは生息数40頭前後と推定されており、非常に希少でレッドデータブック記載。

千葉県|生息データは見つからず

千葉県・神奈川県ではツキノワグマの生息を示す公式データはありません。房総半島や丹沢山地は山林が多いものの、安定した個体群は確認されていません。

中部地方のツキノワグマ生息状況

新潟県|上越から妙高・越後山脈に分布

新潟県は上越地方や妙高山系、越後山脈などの山岳地帯にツキノワグマが生息しています。


長野県|国内有数の大個体群

長野県は日本でも有数のツキノワグマの生息地で、北部から南アルプスにかけて広い分布があります。令和2年度の調査では中央値で7,000頭規模と推定され、全国でも最大級の個体群です。登山者が多い北アルプスや八ヶ岳周辺では出没情報も多く、県はゾーニングや捕獲管理を行いながら、人とクマの共生を模索しています。


岐阜県|飛騨山脈や白山周辺に生息

岐阜県では飛騨山脈や白山周辺にツキノワグマが広く分布しています。県の推定では数百頭規模の個体群が確認されており、白川郷など観光地にも近い地域で出没することがあります。


山梨県|富士山北麓・南アルプスに広い分布

関東に記載。

近畿地方のツキノワグマ生息状況

大阪府

滋賀県|比良山地や伊吹山に分布

滋賀県は近畿地方の中でもツキノワグマの分布が比較的多い地域です。比良山地や伊吹山、鈴鹿山脈などの山岳地帯に安定した個体群が生息しており、登山道での目撃例も報告されています。


奈良県|大台ケ原や大峰山系に分布

奈良県では大台ケ原・大峰山系を中心にツキノワグマが生息しています。


和歌山県|紀伊半島南部の分布は限定的

和歌山県では紀伊山地の北部にツキノワグマが生息していますが、南部では記録が少なく、局所的な分布にとどまります。県は絶滅危惧Ⅱ類に指定し、保護管理を行っています。

三重県


京都府|北山や丹波高地に分布

京都府のツキノワグマは北山や丹波高地を中心に分布しており、京都市内に近い地域でも目撃例があります。市街地と山地の距離が近いことから、人里での出没が課題になっています。


兵庫県|氷ノ山や六甲山地で確認

兵庫県では氷ノ山や但馬地方、六甲山地でツキノワグマの生息が確認されています。県北部に安定した個体群があり、近畿地方における重要な生息地のひとつです。一方で六甲山地は現在の生息域は限定的。

中国地方のツキノワグマ生息状況

鳥取県|大山を中心に生息

鳥取県では大山や中国山地にツキノワグマが生息しており、県の調査でも安定した個体群が確認されています。

島根県|中国山地に広く分布

島根県は中国山地全域(脊梁部を中心)に分布し、広域に目撃・捕獲記録があるとするのは事実です。環境省・WWFによる生息域面積や推定個体数もかなり広域に及びます。

岡山県|北部山岳地帯に局所分布

岡山県では北部・中国山地に分布しています。南部平野部では出没・生息記録はありません。2025年時点で推定生息数は763頭と最新調査で公表されており、安定した個体群ながら減少傾向も見られる状況です。

広島県|中国山地西部に分布

広島県では中国山地西部にツキノワグマが分布しています。

山口県|西部は生息確認が少ない

山口県では中国山地東部にかけてツキノワグマの生息が確認されていますが、西部では記録が少なく、分布は限定的です。県は絶滅危惧Ⅱ類に指定しており、保護と共生の取り組みが行われています。

四国地方のツキノワグマ生息状況:日本でもっとも危機的な個体群

四国地方のツキノワグマは約20頭。(2023年)。四国でのツキノワグマ分布は「剣山山系とその周辺(徳島県・高知県)」に極めて限定されています。

環境省のレッドリストでも絶滅危惧ⅠA類に指定されています。

観光や登山で遭遇する可能性は低いですが、万一の遭遇を想定した安全対策が求められます。

〔出典:環境庁レッドリスト | 林野庁四国管理局 | 四国ツキノワグマ保護プロジェクト

徳島県|剣山山系周辺を中心にツキノワグマの目撃が複数報告

徳島県では、剣山山系周辺を中心にツキノワグマの目撃が複数報告されています。県内の生息数は二十数頭と極めて少なく、徳島県は保護のための対応指針を定めて、目撃情報や被害防止策を周知しています。

登山などでの出会いを避けるため、クマスズ携帯やゴミの持ち帰りも呼びかけられています。

徳島県のツキノワグマについて(徳島県公式Webサイト) | 剣山山系にすむ ツキノワグマ (中国四国地方環境事務所)

高知県|愛媛県境の石鎚山地に局所分布

高知県では剣山山系、三嶺周辺でツキノワグマの生息や樹木への痕跡が確認されています。登山時は熊鈴などで人の存在を知らせる、ゴミの持ち帰りなど遭遇・誘引防止を徹底するよう呼びかけています。

高知県公式Webサイト

香川県|公式な生息データなし

香川県は分布域の四国地方の“圏外”として扱われています。自治体のWebサイトに記載は見つかりません。

愛媛県|石鎚山地周辺に極小個体群

愛媛では1972年10月9日、小田深山の浪ヶ娘から野村部落を通過し、中山町影の浦のクリ園で捕獲された個体を最後に、確実な生息記録は得られていません。 

科学博物館 研究ノート

愛媛県公式Webサイトを見てみる!>> 

九州地方のツキノワグマ生息状況

九州にはかつてツキノワグマが生息していましたが、20世紀後半以降は公式な目撃や確実な痕跡がなく、現在は絶滅したと考えられています

検索ユーザーの多くが「九州にまだいるのか?」と調べますが、答えは「絶滅」と明確に伝えることが大切です。

〔出典:環境省「レッドリスト」/林野庁「ツキノワグマ分布状況」〕

出典:日本クマネットワーク



よくある質問

ツキノワグマは日本のどこに生息していますか?

本州全域の山岳地帯に広く分布しています。特に東北や長野など中部地方に大きな個体群があり、四国には十数頭程度、九州はすでに絶滅とされています。北海道にはツキノワグマはおらず、ヒグマのみが生息しています。

自分の住む県にツキノワグマがいるかどうか、どう調べればいいですか?

各都道府県庁が「クマ出没情報」や「保護管理計画」を公開しています。登山や山菜採りの前には、最新の自治体ページを確認するのが最も確実です。

クマに遭遇したらどうすればよいですか?

走って逃げるのは危険です。落ち着いて後退し、刺激しないようにしてください。普段からクマ鈴やラジオを携帯し、食べ物を放置しないなど、遭遇を避ける工夫が重要です。

「生息していない県」もあるのですか?

一部の県では「安定した生息個体群が確認されていない」状態です。ただし隣県からの移動や一時的な出没は起こり得るため、完全にいないと断定するのは難しいのが実情です。

ツキノワグマは絶滅の心配がありますか?

四国の個体群は推定十数頭と極めて危機的で、環境省レッドリストで絶滅危惧ⅠA類に指定されています。九州ではすでに絶滅扱いです。地域ごとに危機度が大きく異なるため、保護活動が続けられています。

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この記事の執筆者 / 監修者

らみえる
らみえる
動物専門・ペット特化のWebライター・ディレクター・デザイナー。慶應義塾大学環境情報学部を卒業後、大手企業で広報や編集校正の仕事を経て、猫専門ペットホテル猫専門ペットホテル・キャッツカールトン横浜代表、動物取扱責任者、愛玩動物飼養管理士。
幼少期から犬やリス、うさぎ、鳥、金魚など、さまざまな動物と共に過ごし、現在は4匹の猫たちと暮らしています。デザインと言葉で動物の魅力を発信し、保護活動にもつなげていきたいと思っています。
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