ツキノワグマAsiatic black bear

カテゴリ 大きい動物
種類 ツキノワグマ
英語表記 Asiatic black bear
大きさ 1.2~1.8m
重さ 40~120㎏
平均寿命 20~30年
特徴 ツキノワグマは哺乳綱食肉目クマ科クマ属の動物です。「アジアクロクマ」「ヒマラヤグマ」といった別名を持ちます。ユーラシア大陸の中緯度地域に生息する、背の高い中型のクマです。日本においては、四国を含む本州以南に分布しています。被毛は黒く、胸に三日月型やV字型の白い模様が入ります。この特徴的な模様が「ツキノワグマ」という和名の由来になっています。森林地帯に生息し、夜行性のため昼間は洞窟や木の洞で休みます。植物食傾向が強い雑食性で、植物の芽、果物の他に小動物、昆虫などを食べて暮らします。冬眠をするかしないかについては生息する地域によって異なり、シベリアの個体は4~5か月の長期にわたって冬眠しますが、パキスタンの個体は冬眠することなく通年で活動を続けることが知られています。日本においてツキノワグマの状況は地域によって異なり、本州では個体数が増加している一方、四国では個体数が減少し、絶滅危惧種とされています。
性格 クマは基本的に大人しく、臆病な性格をしています。山中で人の気配に気付くと恐怖し、クマ自ら遠くへ離れるように逃げていきます。しかし、子連れの母グマは強気になることが知られています。子グマを連れている場合にはわが子を守るために決して逃げようとせず、人の前に立ちはだかり、攻撃的になるのです。また母グマ以外にも「新世代グマ」と呼ばれる、人や人間社会を恐れない個体の出現が問題視されています。これは、近年ハンターが減ったことで人の恐ろしさを知らないまま大きくなってしまう個体が増えたこと、クマの生活圏と人里との距離が近付いたことで人間社会特有の音や光に耐性が出来て驚かなくなってしまったことなどが原因と考えられています。また、新世代グマではなくても、エサとなるどんぐりなどの凶作により、やむを得ず人里に降りてくるといったパターンも存在するようです。クマには、自分に背中を見せたものや逃げるものを追う習性があります。このため、山中で突然クマに出会っても、クマに対して背を向けて走って逃げ出してはいけないとされています。万が一クマと思わぬ遭遇を果たした場合、クマがこちらに気付いていなければ「静かに後退して距離をとる」、クマがこちらに気付かず近づいてきていれば「木に登るなどして自分の姿を大きく見せる」、人だと認識しても近づいてくる場合は「車内や木の上などに避難する」「大声を出すなどして威嚇」「クマよけスプレーをすぐに使えるように準備する」といった対処法が推奨されています。
日常の世話 クマは「動物の愛護及び管理に関する法律」において特定動物にしていされています。特定動物とは「人の生命、身体又は財産に害を加えるおそれがある動物として政令で定める動物」のことです。令和2年から特定動物は愛玩目的での飼養・保管が禁止されました。そのため、現在は一般家庭においてクマをペットとして飼育することは出来ません。野生のクマは雑食性であり、季節ごとに食べるものを変えながら生活しています。特に甘いものを好みます。視力は弱いですが聴力と嗅覚に優れており、人間の気配については主に匂いで識別していると言われています。大型ですが身体能力に優れています。木登りや泳ぎも得意で、短時間なら時速50㎞程度で走ることが可能です。縄張りのような排他的なテリトリーを持つことはなく、食べ物の多いところでは複数のクマの行動圏が重なります。基本的には行動圏を変えずに生活しますが、ドングリ類などエサが不作の年は食べ物を求めて広範囲に移動することもあります。
歴史・起源・生態 クマは約2000万年前に食肉類から分化し、誕生しました。食肉類とは、ライオンやトラなどの大型のネコ科動物などを含めた動物のグループで、その多くが他の動物を襲って食べる肉食動物です。しかし肉食だったクマの祖先がいつしか雑食化、これにより可能な生息域が大きく広がっていったと考えられています。現在クマは世界に8種存在し、高緯度ほど体が大きくなる傾向にあります。これは表面積あたりの体積が増えることで保温性が高まり、高緯度、つまり寒地での生存に有利に働くためと考えられています。ホッキョクグマ、ヒグマ、アメリカグマ、ツキノワグマ、マレーグマ、ナマケグマ、メガネグマ、ジャイアントパンダの8種の内、日本に生息しているのはツキノワグマとヒグマの2種です。古来より日本においてクマは狩猟対象とされてきました。胆嚢が薬として珍重される他にも、肉はジビエとして食用にされてきました。現代では狩猟を行うハンター数が減少した影響もあり、農作物や養蜂場、養魚場、林業、そして人への被害が度々問題になります。クマと人との接触による事故を減らすため、近年では様々な対策が行われています。エサとなる廃棄果樹やゴミの撤去、ベアドッグの導入、人の怖さを学習させた上での放獣、侵入防止柵など、非致死的防除手法も積極的に検討されています。
気を付けたい病気 壊死性腸炎など
一口メモ 2018年、中国のとある家族がチベタンマスティフだと勘違いしてツキノワグマを飼育していたというニュースが話題になったことがあります。この類の事件は世界中で度々発生しており、野良猫だと思ってベンガルヤマネコやボブキャットを飼育していた例、日本スピッツだと思ってキツネを飼育していた例などが存在します。しかし、野生動物保護の専門家の中には、これらすべての事例が本当に「勘違い」だったのかは疑わしい、と指摘する人もいます。ツキノワグマの胆汁は万能薬として、ベトナム等で特に需要の高い物品です。違法なルートで不正販売されることも多く、許可されていない野生動物を一般的な愛玩動物と勘違いして飼った、と偽ることで罪を逃れようする事例も存在するようです。
著者情報 どうぶつのこと。運営スタッフ

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