カメレオンChameleon
カテゴリ | 爬虫類 |
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種類 | カメレオン |
英語表記 | Chameleon |
大きさ | 2cm~69m※種によって様々 |
重さ | 0.1~250g※種によって様々 |
平均寿命 | 5~10年※種によって様々 |
カメレオンの特徴
カメレオンは爬虫綱有鱗目カメレオン科に分類されます。「体色変化が得意」「両方の目を別々に動かすことが出来る」「尾を巻くことが出来る」「舌を伸ばして虫を捕食する」など、独自の特徴を多く持っています。爬虫類の中でもペットとしての需要が高い生き物です。種ごとに大きさにかなりの差があり、最大種のウスタレカメレオンは全長69mにもなりますが、一方で最小種のナノヒメカメレオンはわずか2cmほどで、指先に乗る大きさしかありません。日本で人気のカメレオンの品種は、エボシカメレオン、パンサーカメレオン、コノハカメレオン、スパイニー(ボタン)カメレオンです。他にも前述の4種よりも飼育難易度が高いことから上級者向けではありますが、ジャクソンカメレオン、メラーカメレオン、デレマカメレオン、ディレピスカメレオン、パーソンカメレオン、ルディスカメレオンなどもペットとして人気のある種です。
カメレオンの性格
カメレオンは基本的にストレスに弱く臆病な性格です。縄張り意識も強いため、他のオスの姿を見るだけでストレスを感じ、食事を摂らなくなることもあるほどです。以下、日本において人気のあるカメレオン4種の性格について説明します。エボシカメレオンはペットとして飼育されるカメレオンの中で最も主流かつ人気の高い品種です。オスの頭部が平安貴族の着用する「烏帽子(えぼし)」に似た形をしているのが特徴です。この頭部は生息する乾燥地帯において水分を効率的に摂取するために発達したものと考えられています。人に特別に懐きやすい性質というわけではありませんが、他カメレオンよりも適応できる環境が幅広く、動物性タンパク質以外も摂食できることから飼育難易度が低く、初めてカメレオンを飼う初心者におすすめです。パンサーカメレオンはエボシカメレオンと並んで人気のある品種です。生息地域によって体の模様や色が異なり、カラーが豊富に存在します。そのためコレクション性が高く、緑色、黄色、赤色、ターコイズブルーなどの人気色を中心に「これぞ」というお気に入りの一匹を探し求める人が多いことで有名です。比較的知能が高く、人の顔を見分けることが出来るため人に馴れやすいとされています。人によく馴れた個体は飼い主の手からエサを食べてくれることもあるようです。コノハカメレオンは成長しても5cmほどにしからない非常に小型で大人しい性格のカメレオンです。緑色、黄色、白色、茶色を中心にさまざまな色がありますが、樹皮や落ち葉に近い落ち着いた色合いをしています。コミュニケーションを取るペットとしてではなく観賞用として飼育される場合がほとんどです。スパイニー(ボタン)カメレオンはエボシカメレオンに似た性格をしており、穏やかで大人しく、やや臆病です。賢い個体が多いため、飼い主を覚え信頼関係を築いたあとは過剰に怯えることなく落ち着いて過ごすことも多いようです。
カメレオンの飼い方
カメレオンは一般的なペットである犬や猫等と比較すると飼育が難しいペットとされています。飼育環境の整え方や給水・給餌の方法が広く普及するまでは、一部の愛好家にのみ飼育されている珍しいペットという位置づけでした。基本的にカメレオンは木登りをする生き物であるため、ケージは横の広さだけではなく縦の高さも確保しましょう。水に流れを作らないと飲もうとしないという性質があるため、皿に水を入れて放置、という形をとることが出来ません。流木や人工枝などの設置物を使って給水器までの道のりを形成し、周囲の環境と併せて水に「動き」を作り出し、脱水を予防しましょう。保温ライトなどを活用しながら室温は日中22~30℃、夜間15~22℃を維持しましょう。ビタミンD3生成の不足による「くる病」を予防するため、紫外線ライトの設置も必要です。主食はコオロギやフタホシコオロギです。水と同様に動いていなければエサとして認識しないため生きたままの状態で与えなければなりません。爬虫類ショップなどで販売されているものを購入しましょう。飼育方法が確立された現在でも飼育難易度が低いとはいいがたいカメレオンですが、主要人気4種のエボシカメレオン・パンサーカメレオン・コノハカメレオン・スパイニー(ボタン)カメレオンは初心者であっても比較的飼いやすい品種と言われています。その中でもエボシカメレオンは飼育難易度が低く、初心者に最もおすすめ出来る品種です。基本的なカメレオンは生きた昆虫を食します。しかしエボシカメレオンはカメレオンにしては珍しく、生きた昆虫以外にも果物や野菜、観葉植物の葉などを食べることが出来ます。また、適応できる環境が他品種よりも幅広いことが知られています。これらの点が初心者に人気が高い理由になっています。ただ、非常に臆病でストレスをためやすい種です。他のオスの姿を見ただけでもストレスを感じ、場合によっては体調を崩すことがあります。複数頭飼育する場合であっても決して同じケージに入れず、ケージ同士もお互いの姿が見えないところに設置するようにしましょう。パンサーカメレオンは知能が高いことで知られています。そのため世話をする人の顔を覚え、馴れれば手からエサを食べてくれることもあるようです。比較的体も丈夫であるため、まだカメレオン飼育にそれほど慣れていない人であっても飼いやすいとされています。コノハカメレオンは非常に小型の品種のため、エサも小型でなければ食べられません。コオロギの幼体やショウジョウバエなどが必要です。この点で他の品種よりもエサの管理を難しく感じることもあるかもしれません。スパイニー(ボタン)カメレオンは温和で大人しい性格のため、エボシカメレオンと並んで初心者に向いているとされています。
カメレオンの歴史・起源・生態
現在カメレオンは86種が知られており、そのうちペットショップで購入が可能なのは30種ほどされています。多くの種は土地開発による生息地の破壊、ペット用の乱獲などの理由により生息数が減少しています。ペットとして流通するカメレオンの多くは野生個体ですが、繁殖・飼育方法が確立された一部の種では飼育下繁殖個体も存在しています。動きが少ないこと、目だけを動かして周囲を観察する様子、体色を大きく変化ッさせることなどから、熟慮や賢者、変幻の象徴とされてきた歴史をもつ生き物です。
カメレオンの気を付けたい病気
脱水、くる病、呼吸器感染症、マウスロット
カメレオンの一口メモ
カメレオンの相場価格は品種によって異なります。2022年現在、エボシカメレオンの幼体は8000円・生体は10000~30000円、パンサーカメレオンは平均30000~40000円・高額な個体は100000円程度、コノハカメレオンは2000~5000円程度とされています。カメレオンという言葉はギリシャ語の「khamaileon」に由来します。「カメ+レオン」=「khamai(地上)+leon(ライオン)」であり、「地上のライオン」という意味になります。地上といってもこの場合には「樹上」のことを示すとされており、より正確には「樹上のライオン」という意味でつけられた名前であると考えられています。
獣医師監修
本記事は、信頼性・正確性向上のために、獣医師資格保有者が監修しています。監修者の詳しいプロフィールは下記をご参照ください。
この記事の執筆者 / 監修者
- 獣医師もも
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北海道大学を次席で卒業し、獣医師資格取得。日本獣医師会会長表彰受賞。
幼少期から鳥やウサギ、犬などに囲まれて暮らし、獣医師を志しました。
大学卒業後は関東の動物病院で勤務した後、IT企業でWebディレクターとして働いています。
動物に関する正しい情報を発信したいという想いから、自身のブログ「獣医師ももブログ」 を立ち上げ、日々ブログを更新しています。
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