イワトビペンギンRockhopper Penguin

イワトビペンギン
カテゴリ ペンギン
種類 イワトビペンギン
英語表記 Rockhopper Penguin
大きさ 体長45~58cm
重さ 2.2~4.2kg
平均寿命 約20年

イワトビペンギンの特徴

ペンギン目ペンギン科マカロニペンギン属ですが、マカロニペンギンの中では最も小さいペンギンです。
目の上から眉毛のような黄色の羽毛が生えており、頭部の横で大きな飾り羽となっています。目とくちばしが赤く、そのキリっとした親しみやすい見た目から、キャラクターのモデルになっていることもあります。
ペンギンの歩き方は片足ずつ前に出してヨチヨチ歩きするものが多いですが、イワトビペンギンは両足を揃えてピョンピョンとジャンプして移動します。そんな歩き方で、岩から岩へ飛ぶ様子からイワトビペンギン(Rockhopper Penguin)という名前がつけられたといわれています。
イワトビペンギンは分類上3種類に分けられ、ミナミイワトビペンギン、ヒガシイワトビペンギン、キタイワトビペンギンが含まれます。それぞれ、生息域・体長・冠羽の長さが異なります。

イワトビペンギンの性格

イワトビペンギンは、皇帝ペンギン(コウテイペンギン)と違い、好戦的な性格をしています。体が小さいのにもかかわらず、自分の巣に近づく動物がいれば、同じペンギンでも天敵でもすぐに攻撃を仕掛けるタイプです。巣を作るための材料をめぐってのペンギン同士で喧嘩することもしばしば。確かに、あの赤い目で睨まれて攻撃されたらすぐに逃げてしまう動物も多そうです。警戒心が強く攻撃的なイワトビペンギンは、高い段差や崖、土手にも果敢に挑戦し、必要であれば危険を顧みず飛び降りる姿が目撃されています。とても頼もしいペンギンですね。

イワトビペンギンの飼い方

イワトビペンギンはオキアミなど小魚やイカ、甲殻類などを食べます。動物園や水族館ではアジなどを与えていることもあるようです。飼育下では、なるべく野生環境に近い形での飼育に努めることが大事ですが、100%再現することは不可能です。特に鳥類、イワトビペンギンは、本能的な働きが強く、人間が飼育環境に合わせて訓練するのはかなり難しいとされています。そのため、イワトビペンギンが食べたい量を自分で採食できるよう、人間の手からではなく、餌をプールに入れたり、床に置くなどして、ペンギン自身の意思で餌を食べるように教育していく施設もあります。

イワトビペンギンの歴史・起源・生態

ペンギンは氷の上で暮らしている様子をイメージすることが多いかと思いますが、イワトビペンギンは、岩場や草むらにコロニーを形成することで有名です。インド洋南部から南大西洋にかけて分布しており、南アメリカのパタゴニアからニュージーランドにかけての島々、フォークランド諸島やプリンス・エドワード諸島にて繁殖が行われます。巣はオスが岩場の石や小枝、草などを使用して海岸の岩場に作り、年に1-2個の卵を産みます。巣がある岩場へは、海の波の勢いを借りてジャンプするため、大きな波が来るまで海面で待つ習性があります。
11-12月に産卵すると、最初に産んだ卵は廃棄します。びっくりですが、これはマカロニペンギン属にみられる行動です。その後産んだ卵は約30日ちょっとの間、オスとメスが交代で抱卵します。産まれた雛は他の雛と共にクレイシュといういわゆる保育所にて、親ペンギン達からの給餌を待ちます。皇帝ペンギン(コウテイペンギン)と違い、親ペンギンはオスもメスも両方餌を取りに出かけます。このような習性からか、イワトビペンギンは、コロニーの中であれば他ペンギンの雛をも育てます。動物園や水族館のペンギンも条件がそろうとこのクレイシュを形成することがあるそうです。成鳥が、自分の子どもではない雛の毛繕いをしたり、雛の行動を叱るそぶりがあったという報告もあります。

イワトビペンギンの気を付けたい病気

趾瘤症

イワトビペンギンの一口メモ

マカロニペンギン属には、イワトビペンギンのほか5種類おり、見分けるのはとても難しいです。体の大きさや頭の大きな飾り羽の形で識別することが一般的ですが、専門家の間でも議論が分かれているものもあります。
顔が白ければロイヤルペンギン、頬に白い線の模様があればフィヨルドペンギン、フィヨルドペンギンに非常によく似てて、嘴の根元がピンクであればスネアーズペンギン、飾り羽が立っているのはイワトビペンギンとシュレーターペンギンですが、より大きいのはシュレーターペンギンです。さらに、前述したようにイワトビペンギンはさらに3種類に分かれます。......ペンギンの分類は非常に奥深いですね。

獣医師監修

本記事は、信頼性・正確性向上のために、獣医師資格保有者が監修しています。監修者の詳しいプロフィールは下記をご参照ください。

この記事の執筆者 / 監修者

獣医師ニノマユ
獣医師ニノマユ
獣医師免許を取得後、都内動物病院にて小動物臨床に従事。その後はペット損保会社にて保険査定や犬猫~エキゾチックアニマルまでの健康相談業務などを担当しておりました。現在は、動物業界の課題について広く視野を持ちたいという想いでweb業界にて働いています。大学時代は動物行動管理学研究室に所属。一番好きなのは羊で繁殖~出荷を経験しました。

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