キツネFox
カテゴリ | 中ぐらいの動物 |
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種類 | キツネ |
英語表記 | Fox |
大きさ | 45~90cm※種類によって様々 |
重さ | 5~6㎏※種類によって様々 |
平均寿命 | 10年 |
キツネの特徴
哺乳綱ネコ目(食肉目)イヌ科に分類される動物です。顔は細長く、耳は直立しており、ふさふさとした大きな尻尾を持つのが特徴です。被毛にはボリュームがありますが、全体的にほっそりとしなやかな体つきで、動きは俊敏です。肉食に近い雑食のため、野ネズミや鳥、うさぎといった小動物の他にも、果物や人間の出した残飯など、多くのものを食べることが可能です。出産期は3~5月で、3か月ほど子育てをし、子ぎつねは生後1年以内に獲物を捕らえることが出来るまでに成長します。イヌ科の動物ですが社会性はあまりなく、単独行動を好みます。パートナーを持った際には家族を作り共に暮らしますが、同族であっても家族以外はすべて敵とみなす傾向にあり、群れをつくったり序列をつけるといったことをしません。飼育下のキツネは平均寿命が10年ほどですが、野性の場合は事故や病気などにより寿命が2~3年という場合もあるようです。ペットとして飼育されている主要な種は、フェネック、アカギツネ、ギンギツネ、ナレギツネ等です。
キツネの性格
警戒心の強い性格ですが、賢く好奇心旺盛です。安全性を確認するまでは初めての場所には近づかない慎重さがある一方で、見慣れない物や人が持っているものには強く興味を持ちます。猫の警戒心と犬の好奇心の強さの両方を持ち合わせていると考えると良いでしょう。キツネは上下関係を重視せず、強者に服従するという感覚がないため、懐いた場合であっても人間に媚びたりしません。そのため、しつけや芸を仕込んだりといったこともほぼできません。キツネを飼育する際には犬や猫などのペットとは違い「もう1人人間が増えた」と思って接する必要があります。キツネのペットとして最も人気なのは「フェネック」です。非常に大きな耳に小顔が特徴で、愛嬌のある仕草が可愛らしい種です。一般的なキツネの性格と同様に、警戒心が強く、臆病で神経質な面を持ち合わせています。しかし、長く人と生活することで犬のように人に懐いたりする個体も存在するようです。「アカギツネ」はキツネとしてはかなり人懐っこい性格をしています。そのため、海外でペットとして飼育されることの多い種です。「ギンギツネ」はアカギツネよりも更に懐きやすい性格の種です。このため、ロシアでは他種キツネよりも主流となっているようです。「ナレギツネ」はギンギツネを改良した種です。野生種よりも顔立ちが犬に近く、性格も犬にかなり近いものになっています。そのため、キツネの中ではもっとも飼育しやすい種と言えるでしょう。灰と白と黒の基本色に瞳がブルーの個体の子ギツネは、一見するとシベリアンハスキーにも似ています。ロシアの一般家庭で犬とほぼ変わらない方法で飼育されているナレギツネも存在しているとのことですから、性格的にはかなり飼いやすい種であることが窺えます。
キツネの飼い方
キツネは小柄でも非常に多くの運動量を必要とします。ケージの中で自由に動き回れない時間が長い場合ストレスを溜めてしまい、攻撃性が増したり病気になることも考えられます。ケージは休憩場所や寝床としての設置程度に考え、自由に動き回れるスペースを広く確保することが重要です。一軒家で飼育する場合には、室内だけでなく庭にキツネ専用のエリアを設置することも検討してみましょう。キツネはトイレのしつけをすることが出来ません。動き回れるスペースはそのまま排泄されるスペースと同義と考えましょう。雑食性の動物の排泄物は臭いことで有名ですが、キツネもその例に漏れず排泄物の臭気が強烈で、室内であればすぐに片づける必要があります。また、本来のキツネは夜行性です。鳴き声は甲高く、よく響きます。人が休む時間帯に、動き回る音や鳴き声が騒音として響く可能性がありますので事前に対策をしておきましょう。食事は犬や猫と同じものを食べることが可能なため、調達は容易です。ドックフードやキャットフードの他に、定期的にお肉や野菜、果物などを与えるとより満足してくれることでしょう。
キツネの歴史・起源・生態
きつねは犬や猫などと比較するとペットや家畜としての改良が進んでいない動物ですが、青銅器時代においてはイベリア半島でキツネを家畜化していた可能性が示唆されています。16世紀にはイギリスでキツネ狩りが始まり、文化として確立されました。高山から平地、時には人の生活圏のすぐ近くであっても適応して住み着くことが出来るため、世界の多くの地域、民族の伝承に登場します。西洋においては賢く狡猾なことからトリックスターの象徴として、アジアでは使い魔や変身能力を持つ存在、人を化かして楽しむいたずら好きな性格と考えられています。日本では神使として信仰されることもあります。人との長く深い関わりの中で様々な側面を持つようになった動物と言えるでしょう。日本における野生のキツネは、本州・九州・四国の各本島と淡路島[9]にホンドギツネが、北海道本島と北方領土にキタキツネが生息しているとされています。近年では沖縄や佐渡島でも自然分布以外での移入が確認されていますが、定着したかどうかについては現在未確認の状態ということです。
キツネの気を付けたい病気
エキノコックス症
キツネの一口メモ
ペットとしてのキツネの相場価格は2022年現在、フェネックが50~100万前後とされています。アカギツネ、ギンギツネ、ナレギツネなどは日本国内にはブリーダーが少なく、国外から輸入しなければならない場合がほとんどです。個人輸入は難易度が高いため、購入を希望する際には専門のショップやブリーダーに相談してみましょう。日本においてキツネを放し飼いにしている観光施設は北海道の「北きつね牧場」、宮城県の「宮城蔵王キツネ村」などがあります。どちらも約100頭前後の規模でキツネを飼育しており、至近距離でたくさんのキツネを心行くまで観察出来、時には直接抱っこして触れ合うことが出来る施となっています。
獣医師監修
本記事は、信頼性・正確性向上のために、獣医師資格保有者が監修しています。監修者の詳しいプロフィールは下記をご参照ください。
この記事の執筆者 / 監修者
- 獣医師もも
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北海道大学を次席で卒業し、獣医師資格取得。日本獣医師会会長表彰受賞。
幼少期から鳥やウサギ、犬などに囲まれて暮らし、獣医師を志しました。
大学卒業後は関東の動物病院で勤務した後、IT企業でWebディレクターとして働いています。
動物に関する正しい情報を発信したいという想いから、自身のブログ「獣医師ももブログ」 を立ち上げ、日々ブログを更新しています。
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