カメTurtle

カメ
カテゴリ 爬虫類
種類 カメ
英語表記 Turtle
大きさ 約10~183cm ※種によって様々
重さ 約600g~1t ※種によって様々
平均寿命 15~25年

カメの特徴

カメというのは爬虫綱カメ目に分類される生き物の総称です。淡水域、海洋、砂漠、草原、森林など世界の熱帯・温帯を中心に様々な環境で生息しており、現在約300種存在しています。このうち日本でみられる種は外来種を含め6科13種とされています。陸上で暮らすタイプ(陸上棲)、水中で暮らすタイプ(水棲)、水陸両棲で暮らすタイプ(半水棲)の3タイプに大別されます。水棲であっても肺呼吸が必要な種がほとんどであり、水面に顔を出すことで息継ぎをしています。食生は種によって異なりますが、魚類、両生類、爬虫類、哺乳類、昆虫、貝類、甲殻類、植物、果物、キノコ等、多くのものを食べることが可能です。体格は、最小サイズの種で9.6cm、最大サイズの種で183㎝にもなります。過去に絶滅した種では全長4mにもなる個体も存在したと言われています。ペットとして人気のあるカメは、ミシシッピニオイガメ、ミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)、ニホンイシガメ、クサガメ(ゼニガメ)などです。

カメの性格

日本でペットとして人気の種はいくつか存在しますが、ミシシッピニオイガメは穏やかでのんびりとしており人に懐く性格、ミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)は活発で遊び好きな性格、クサガメ(ゼニガメ)は知能が高く人にも懐きやすく穏やかでマイペースな性格だということが知られています。個体差、種差はあれど、どのカメも基本的には臆病な性格をしています。人に馴れるまでは警戒し、時には噛みついたりなどの攻撃性を見せることもあるかもしれません。しかし人に馴れれば、自分の世話をする人間の顔を覚えたり、エサやおやつをおねがりする仕草をしたり、あとを追いかけてくるようになったりと、可愛らしい面をたくさん見せてくれるようになります。

カメの飼い方

カメの飼育に必要なものは水槽、水をろ過するためのフィルター、水槽の底に敷き足場にする石、照明、ヒーターなどです。湿度の上昇によるカビの発生を防ぐため、水槽に蓋はかぶせないようにしましょう。水槽内の水深を深くする必要はありませんが、脱走防止になりますので高さのある水槽を選んでおくと良いでしょう。カメには適度な紫外線照射が必要です。カメ専用の水槽にはライトが付属している場合がほとんどですが、衣装ケースなどを水槽などに代用している場合には、ショップ店員におすすめのものを尋ねてみましょう。カメは水を汚しやすい生き物なので、1日1回水の入れ替えを行うことをおすすめします。エサは1日1~2回、食べ残しで水を汚さない程度に与えましょう。野生のカメは寒くなってくると冬眠を行いますが、体力のない個体などはそのまま死んでしまうケースもあります。そのためペットとして飼育しているカメは、寒い季節になっても冬眠させることなく飼育することが推奨されています。ヒーターを活用したり温かい部屋に水槽を移すなどして、水温を20度前後に保つようにしましょう。

カメの歴史・起源・生態

カメ目は今から約2億1000万年前に誕生したとされています。現代においては環境悪化や生息地の破壊、食用やペット用の乱獲などによって生息数の減少が危惧されている生物ですが、各地域で大小さまざまな規模での保全活動が熱心に行われています。古来より人の歴史や文化に深い関わりがある生物として有名であり、神話や伝説などで信仰の対象になったり、吉兆や縁起物として有難がられたり、動きが遅いことの象徴にされたりしてきました。現代においても、創作の素材としてカメを用いている作品は列挙に暇がありません。また、「鶴は千年、亀は万年」という言葉があるように、亀には昔から長寿のイメージがあり、実際に動物の中でも長寿の代表格です。現存する確実な記録での最長寿は1766年~1918年まで生存していたアルダブラゾウガメの「152年」です。他の種であっても、120~140年程度の記録がいくつか存在しています。文明がまだ未熟で人が短命だった時代に、ある種の神秘性をもつ生き物としてカメが特別扱いを受けていたことを納得するのに十分すぎる長さの寿命と言えるでしょう。

カメの気を付けたい病気

くる病、水カビ病、口内炎、卵塞、甲羅の損傷、骨折

カメの一口メモ

カメの相場価格は、種によって異なります。2022年現在、ペットとして人気のある種においては、ミシシッピニオイガメは3000~5000円、ミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)は500~1000円、ニホンイシガメは5000円程度、クサガメ(ゼニガメ)は1000~2000円とされています。犬や猫と比較すると手が伸ばしやすい価格帯のように見えますが、快適な飼育環境を整えたり維持することは考えている以上に手間とお金がかかります。また、カメは平均で15~25年、長ければ30年以上の長寿でもって飼い主と共に生き続けることになります。安易な気持ちでに飼い始めるのではなく、ある程度の覚悟をもってペットとしての「カメ」を選択することが必要です。

獣医師監修

本記事は、信頼性・正確性向上のために、獣医師資格保有者が監修しています。監修者の詳しいプロフィールは下記をご参照ください。

この記事の執筆者 / 監修者

獣医師もも
獣医師もも
北海道大学を次席で卒業し、獣医師資格取得。日本獣医師会会長表彰受賞。
幼少期から鳥やウサギ、犬などに囲まれて暮らし、獣医師を志しました。
大学卒業後は関東の動物病院で勤務した後、IT企業でWebディレクターとして働いています。
動物に関する正しい情報を発信したいという想いから、自身のブログ「獣医師ももブログ」 を立ち上げ、日々ブログを更新しています。

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