アデリーペンギンAdelie penguin

アデリーペンギン
カテゴリ ペンギン
種類 アデリーペンギン
英語表記 Adelie penguin
大きさ 体長60~75cm
重さ 4~6kg
平均寿命 約20年

アデリーペンギンの特徴

アデリーペンギンは、ペンギン目ペンギン科アデリーペンギン属に分類される中型のペンギンです。その顔や姿の愛らしさから、南極のアイドルとも呼ばれ、日本では某鉄道会社のキャラクターのモデルにもなっています。背中側が黒、腹側が白とはっきり色分けされた羽毛を持ちます。最も印象に残る特徴は、目の周りの白いアイリングと呼ばれる部分です。目の周りを白い羽毛で縁どられているのが、つぶらな瞳を強調していて、アデリーペンギンのチャームポイントとなっています。雛はグレーの密な羽毛でふわふわに覆われていますが、成鳥のような白いアイリングはありません。くちばしは一見とても短く見えますが、寒さから守るために羽毛で覆われているためです。

アデリーペンギンの性格

アデリーペンギンは、他のペンギンに比べて気性が荒い、ペンギンの中で最も攻撃的であるという印象が広まっています。しかし、何もされていないのに自分から攻撃を仕掛けに行くことはありません。多くの動物と同様に、縄張りや巣に近づくととても怒られます。また、巣の材料の取り合いでアデリーペンギン同士が激しい喧嘩になることもしばしば。
アデリーペンギンの主な天敵はオオトウゾクカモメです。翼を広げると130cm程の鳥ですが、この天敵にも、自分の巣に近づこうものなら容赦なく攻撃します。雛を守るために天敵に立ち向かうその姿から、勇敢なペンギンとして紹介されることもあります。
一方、海の安全確認のために仲間を海に突き落としたり、皇帝ペンギン(コウテイペンギン)の縄張りまで行き、崖から突き落として、自分たちの場所として独占したり...。性格悪い、腹黒いと言われるのも納得してしまいますが、アデリーペンギンは厳しい南極大陸の環境の中で、雛を守るために必死に生きているのですね。

アデリーペンギンの飼い方

アデリーペンギンは、イカ、タコ、ナンキョクオキアミ等の甲殻類やその他小魚を食べます。雛にはオキアミをミキサーにかけてミルク等でペースト状にして与えています。攻撃的な側面もあるアデリーペンギンですが、飼育下では人間に好奇心旺盛で、持ち前の気の大きさからかあまり怖がらないようです。
繁殖の際には、巣作りに使う小石を調整することで施設のアデリーペンギンの数を調整しています。

アデリーペンギンの歴史・起源・生態

ペンギンというと南極にいるイメージですが、南極大陸にて繁殖するペンギンは、皇帝ペンギン(コウテイペンギン)とアデリーペンギンの2種だけです。
アデリーペンギンの巣は、夏に海岸近くの岩が露出している場所に小石を積み上げて作ります。南極ですから小石は少ないため、他の仲間の巣から小石を盗んでくることも。小石をめぐって仲間同士激しい喧嘩になります。オスはこの巣の出来具合によってメスから相手にされるかどうかも決まりますので、必死です。卵は2個産まれ、産卵後はまずオスが抱卵し、メスは採餌に出かけ、その後交代してメスが抱卵、オスが採餌します。約35日で孵化し、ある程度成長すると雛同士が集まるクレイシュ(保育所)を形成します。雛は換羽して、南半球の夏終わりである2月頃に親鳥と共に海に入れるようになるのです。

アデリーペンギンの気を付けたい病気

アスペルギルス、鳥インフルエンザ

アデリーペンギンの一口メモ

ペンギンの種類の名前は面白いものが多く、覚えやすいですよね。アデリーペンギンのアデリーの由来は何でしょうか。
これは、1840年に南極大陸に上陸したフランス人探検家の奥様のお名前だったようです。上陸した場所にアデリーランドという名前を付けたのです。そこにいたペンギンの種名もアデリーと名がつけられました。

獣医師監修

本記事は、信頼性・正確性向上のために、獣医師資格保有者が監修しています。監修者の詳しいプロフィールは下記をご参照ください。

この記事の執筆者 / 監修者

獣医師ニノマユ
獣医師ニノマユ
獣医師免許を取得後、都内動物病院にて小動物臨床に従事。その後はペット損保会社にて保険査定や犬猫~エキゾチックアニマルまでの健康相談業務などを担当しておりました。現在は、動物業界の課題について広く視野を持ちたいという想いでweb業界にて働いています。大学時代は動物行動管理学研究室に所属。一番好きなのは羊で繁殖~出荷を経験しました。

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