ハト(鳩)Pigeon

ハト(鳩)
カテゴリ
種類 ハト(鳩)
英語表記 Pigeon
大きさ 23~40cm※種類によって様々
重さ 100~450g※種類によって様々
平均寿命 約10年

ハト(鳩)の特徴

ハト目ハト科に分類される鳥の総称です。頭は小さく、胸部が発達しており、全体的にずんぐりとした体つきが特徴です。また首を前後ふりながら歩く「首振り歩行」をすることでも知られています。この歩き方の理由には、視覚情報を安定的に得るため、安定して歩行するためなどの説があります。ハト目は世界に約290種存在しており、日本の在来種はカラスバト属(カラスバト、アカガシラカラスバト、ヨナクニカラスバト、リュウキュウカラスバト、オガサワラカラスバト)、キジバト属(キジバト、リュウキュウキジバト、シラコバト)、ベニバト属(ベニバト)、キンバト属(リュウキュウキンバト)、アオバト属(アオバト、リュウキュウズアカアオバト、チュウダイズアカアオバト)の13種です。また、純粋な在来種ではないため上記には含まれていませんが、カワラバド属のカワラバド(ドバト)は日本で非常によく見られる種です。

ハト(鳩)の性格

ハトは基本的に警戒心、縄張り意識の強い性格です。毎日決まった場所で羽を休め、エサを取り、糞をして、周囲の確認をするというルーティーンを守って生活をする習性があります。そのため、特定の場所への執着も非常に強いことが知られています。ハトの撃退法はいくつも存在しますが、人間に追い払われたり留まれないように対策されたとしても、寝床や営巣場所としてロックオンした場所をなかなか諦めません。都心部などで糞害が始まるとなかなか終息しないのはこれらのハトの習性によるものなのです。

ハト(鳩)の飼い方

野鳥のため、「鳥獣保護法」により野生のハトを捕獲して飼育することは法律違反に該当します。しかし、ペットショップで正規に販売されているハトであれば購入し、飼育することが可能です。通常のペットとして飼育する場合、注意すべき点がいくつか存在します。第1に糞の処理です。ハトは毎日体重の約10%ほどのエサを食べ、大量の糞を排出します。糞には人にも感染する病原菌が含まれていることがあり、長時間放置すると糞が乾燥し、菌が空中に飛散します。適切な処理を怠れば飼い主や家族が病気になる可能性があることを留意しましょう。第2に、ハトは鳴き声が大きいため、都心部のマンションの一室などの、騒音に気を使わなければならないような環境で飼うのには適していません。第3に、寿命の長さについてです。野生のハトの平均寿命は10年ほどとされていますが、適切な飼育下であれば20年生きる個体も存在します。長期間の飼育の間に飼い主側のライフスタイルが何度か変化することが考えられますが、最後まで責任をもって飼う覚悟が必要です。

ハト(鳩)の歴史・起源・生態

ハト科の鳥は全世界のあらゆる場所に分布しています。人が居住可能な地域のほとんどの地域に存在しているといっても過言ではありません。ハトの飼育動物化は1万~6千年前から始まったとされています。現代においては群れをなす性質から、植物のオリーブと共に平和の象徴に挙げられます。また、電話などの通信技術が発達する以前には伝書鳩として通信のために多く飼育されていました。ハトの優れた帰巣本能を生かし、通信だけでなく、敵地へのスパイ行為や僻地への物資運搬などにも利用されました。また食の面では、中国やフランス、エジプトなどでは現在でも一般的な食材として扱われています。特に中近東では、乾燥した風土における放し飼いでもよく増えることから、貴重な動物性タンパク源とされています。宗教上重要な意味を持ちながら、一方では通信手段や食用などの実用的な面でも大いに活躍した鳥なのです。

ハト(鳩)の気を付けたい病気

オウム病、クラミジア感染症、クリプトコッカス症

ハト(鳩)の一口メモ

ハトの価格相場は2022年現在数千~数万円程度です。販売されているハトの多くは「レース鳩」としての需要向けの個体です。そのため、レースに特化させた血統の個体は普通のハトよりも骨格がしっかりしており、動きが活発です。血統によって値段の差が大きく、近年は値段が高騰する傾向にあるようです。2020年には2歳のメスのレース鳩がベルギーのオークションで史上最高額の約2億円で落札されました。

獣医師監修

本記事は、信頼性・正確性向上のために、獣医師資格保有者が監修しています。監修者の詳しいプロフィールは下記をご参照ください。

この記事の執筆者 / 監修者

獣医師もも
獣医師もも
北海道大学を次席で卒業し、獣医師資格取得。日本獣医師会会長表彰受賞。
幼少期から鳥やウサギ、犬などに囲まれて暮らし、獣医師を志しました。
大学卒業後は関東の動物病院で勤務した後、IT企業でWebディレクターとして働いています。
動物に関する正しい情報を発信したいという想いから、自身のブログ「獣医師ももブログ」 を立ち上げ、日々ブログを更新しています。

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