キュウカンチョウ(九官鳥)Myna bird

キュウカンチョウ(九官鳥)
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種類 キュウカンチョウ(九官鳥)
英語表記 Myna bird
大きさ 全長30~40cm
重さ 160~180g
平均寿命 8~10年

キュウカンチョウ(九官鳥)の特徴

スズメ目ムクドリ科キュウカンチョウ属に分類されます。インコと同様、人語を発することが出来るため、ペットとして人気の高い鳥類です。普通の鳥よりも舌が肉厚で自由に動かせるため、人の言葉や他動物の鳴き声の音程だけでなく、声色までも非常に上手く真似ることが出来ます。羽根色は黒く、くちばしと目から後頭部にかけての鮮やかなオレンジの差し色が印象的です。

キュウカンチョウ(九官鳥)の性格

ペットとして古い歴史をもつ九官鳥ですが、とても繊細な鳥として知られています。大きな音や振動などに過敏に反応し、怯えてしまい、かごの中で暴れてしまいます。とは言っても普段は大人しいため攻撃性はほとんどなく、光沢のあるものを集めて積み重ねたり、止まり木で遊んだりして過ごします。賢いため、毎日丁寧に話しかけることで多くの言葉を覚えることが出来ます。

キュウカンチョウ(九官鳥)の飼い方

九官鳥は一般にペットとして飼育されている鳥よりも大きめです。翼を広げてもぶつけないよう、空間に余裕のあるケージを選びましょう。ケージは金属製ではなく専用の竹製・プラスチック製のしなりやすいものを用いることで、驚いて暴れた際にくちばしが傷つくのを避けることが出来ます。水浴びや日光浴を好むため、ストレス発散や運動量の確保のためにも積極的に機会を作ってあげましょう。ケージ内は糞で汚れやすいため、こまめに清掃し、清潔な環境を保つことが大切です。食事については、九官鳥は鉄貯蔵病という病気になりやすいことで知られているため、インコやその他の鳥のペレットを代用することはせず九官鳥専用のペレットを与えましょう。補助食として野菜や果物もおすすめです。

キュウカンチョウ(九官鳥)の歴史・起源・生態

原産地は中国、インド、フィリピンなどの南アジアです。野生では産地や森林地帯で小規模な群れを作り、果物や昆虫などを食べて暮らしています。生息地における土地開発、森林伐採、ペット用としての乱獲などの影響により生息数が減少しています。しかしもともとの生息地が広範であることから、今すぐに絶滅する可能性は低いと考えられています。以前は日本に輸入される九官鳥のほとんどは野生個体でしたが、近年は繁殖技術の確立により繁殖個体の割合も増えているようです。

キュウカンチョウ(九官鳥)の気を付けたい病気

鉄貯蔵病、肝障害、上部呼吸器の細菌感染

キュウカンチョウ(九官鳥)の一口メモ

九官鳥の相場価格は2022年現在20~40万円前後です。江戸時代に書かれた本には、「九官」と名乗る中国人がこの鳥を持ち込んだ際に、人の言葉の真似をする鳥であることを「この鳥は吾(われ)の名を言う」と説明しましたが、このときの「吾」を「鳥」と誤訳され「九官鳥」と名がついた、という記述が残されているようです。日本で飼育されている九官鳥のほとんどは外国産であり、シンガポール、タイなどから輸入されています。

獣医師監修

本記事は、信頼性・正確性向上のために、獣医師資格保有者が監修しています。監修者の詳しいプロフィールは下記をご参照ください。

この記事の執筆者 / 監修者

獣医師もも
獣医師もも
北海道大学を次席で卒業し、獣医師資格取得。日本獣医師会会長表彰受賞。
幼少期から鳥やウサギ、犬などに囲まれて暮らし、獣医師を志しました。
大学卒業後は関東の動物病院で勤務した後、IT企業でWebディレクターとして働いています。
動物に関する正しい情報を発信したいという想いから、自身のブログ「獣医師ももブログ」 を立ち上げ、日々ブログを更新しています。

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