フェアリーペンギンFairy Penguin

フェアリーペンギン
カテゴリ ペンギン
種類 フェアリーペンギン
英語表記 Fairy Penguin
大きさ 体長約36~43cm
重さ 約1㎏
平均寿命 約20年

フェアリーペンギンの特徴

フェアリーペンギンは、鳥綱ペンギン目ペンギン科コガタペンギン属のペンギンです。ペンギン目の中では最小の種であり、オーストラリアとニュージーランドの沿岸地域に広く分布しています。別名リトルペンギン、コガタペンギンとも呼ばれ、分類上はEudyptula minorといい、「小さな良い潜水者」を意味します。成鳥の体長は40センチ前後、体重は約1キログラムと、その名の通り非常に小型です。
背中の羽毛は青みがかった灰色で、光の加減によっては青色に見えることもあります。この特徴的な羽毛の色から海外では「ブルーペンギン」の愛称で親しまれています。。腹部は白色で、派手な冠羽や目立った色模様はありません。くちばしは短く黒色で、先端が鋭くなっており、小魚や甲殻類を捕食するのに適しています。ヒレは短く、幅広で、泳ぐための強力な推進力を提供します。これにより、フェアリーペンギンは俊敏に水中を移動し、餌を効率的に捕らえることができます。足はピンク色で、水かきが発達しており、陸上では直立ではなく、前かがみになりながらよちよち歩く姿が見られます。足の短さと位置から、歩行は少し不器用に見えることがありますが、水中での泳ぎは非常にスムーズです。

フェアリーペンギンの性格

フェアリーペンギンは、非常に社交的である一方、警戒心が強く、巣穴やヒナを守る際には、フェアリーという名前からは想像もつかない程攻撃的な行動をみせることもあります。
群れでの生活を好むため、コロニーを形成し、数十から数百の個体が集まって生活します。これにより、捕食者からの防御や餌の確保がしやすくなる利点があるようです。
また、コロニー内では鳴き声やボディランゲージを用いてコミュニケーションを取るというユニークな一面もあります。夜行性であるため、特に夜になると活動的になり、非常に大きな鳴き声を使って仲間同士で連絡を取り合います​。オスはメスを引き寄せるために大きな声で鳴いたり、縄張りを守るために他の個体に対しても声を上げたりします。これらの鳴き声が、特定の行動や感情を表現するために使われるという点が、ヒトにも似ていますね。

フェアリーペンギンの飼い方

フェアリーペンギンは社交的な動物であるため、群れで飼育することが推奨されます。また、食事のエンリッチメントも重要で、ある動物園ではハムスターボールに魚を入れて泳がせる方法を導入しています。新鮮な魚を主食とし、必要に応じてビタミンやミネラルのサプリメントを追加することもあるそうです​ 。住環境も自然に近づけるよう設計することが重要です。デトロイトの動物園では25フィートの深いプールを設置して水中活動を促しています​ 。さらに、定期的な健康チェックと獣医師の監視により、ペンギンが長寿で健康な生活を送れるようサポートされています​​。これらの対策により、飼育下でもフェアリーペンギンは自然に近い行動を維持し、健やかに過ごすことが可能です。

フェアリーペンギンの歴史・起源・生態

フェアリーペンギンは夜行性で昼間は巣穴で過ごし、夜になると海に出て餌を探します。昼間の巣穴での生活では体を休めたり繁殖活動を行うため、結果的に捕食者から身を守ることができています。
繁殖期には特定の繁殖地に集まり、岩場や砂浜のくぼみ、人工物の下などで繁殖します。巣穴は複雑な構造を持ち、複数のペアで共同使用することで防御が強化されています。
オスは鳴き声でメスにアピールをし、ペアの絆を深め、交代で卵を温めます。メスは1〜2個の卵を産み、卵は約35日で孵化、そして約6週間で巣立ちます。
食物は主に小魚やイカ、時には甲殻類を含み、狩りの際には潜水して魚を捕まえます。フェアリーペンギンの食物摂取は沿岸のプランクトンや魚の変動に依存し、環境変化に敏感です。

フェアリーペンギンの気を付けたい病気

寄生虫感染、羽毛病

フェアリーペンギンの一口メモ

フェアリーペンギンは繁殖期にオスが複雑な求愛行動を行い、メスを引きつけます。なんと、頭を上下に振ったり、翼を広げてパフォーマンスすることがあるそうです。こうした動作は、メスに対して自分の存在をアピールし、繁殖のためのパートナーシップを築くための重要な要素といわれています。

獣医師監修

本記事は、信頼性・正確性向上のために、獣医師資格保有者が監修しています。監修者の詳しいプロフィールは下記をご参照ください。

この記事の執筆者 / 監修者

獣医師ニノマユ
獣医師ニノマユ
獣医師免許を取得後、都内動物病院にて小動物臨床に従事。その後はペット損保会社にて保険査定や犬猫~エキゾチックアニマルまでの健康相談業務などを担当しておりました。現在は、動物業界の課題について広く視野を持ちたいという想いでweb業界にて働いています。大学時代は動物行動管理学研究室に所属。一番好きなのは羊で繁殖~出荷を経験しました。

フェアリーペンギン関連動画・記事

もっと見る

目次