ハクビシンPalm civet
カテゴリ | 中ぐらいの動物 |
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種類 | ハクビシン |
英語表記 | Palm civet |
大きさ | 51~76cm |
重さ | 2~5㎏ |
平均寿命 | 7~10年 |
ハクビシンの特徴
ネコ目ジャコウネコ科ハクビシン属に分類される食肉類の動物です。ハクビシンに似ている野生動物としてタヌキ・アナグマ・アライグマの3種の名前がよく挙げられますが、このうちタヌキとアナグマは在来種、ハクビシンとアライグマは外来種です。日本に生息する唯一のジャコウネコ科の動物かつ外来種ですが、日本に移入された時期についてははっきりとしたことが分かっていません。ハクビシンは漢字で「白鼻芯」と表記し、この名前の通り額から鼻にかけて白い線が入ってることが特徴です。体の大部分は灰褐色、足先は黒色、長い尻尾は全体もしくは先端が黒色をしています。初めは毛皮用としては国内に持ち込まれましたが、実際には毛皮としての質があまり良くなく、飼育されていたハクビシンが野外に放されたため、個体数を増やしていったと言われています。現在は、本州を中心に、四国・九州の一部にも生息しています。
ハクビシンの性格
自分より体の大きいものを怖がる、非常に臆病な性格です。普段は人目につかない場所で生活しており、そのため人の姿を見かけるとすぐに逃げていきます。積極的に攻撃してくることはあまりありませんが、凶暴性は高く、いざ攻撃された場合には大怪我は免れません。子どものころから育てることで人に馴れる個体も存在するようですが、いずれにしても豊富な知識と経験のある専門家であってもなお難易度が高く、一般家庭での飼育は「絶対におすすめしない」と注意が添えられるほどです。
ハクビシンの飼い方
ハクビシンはタヌキなどと同様「鳥獣保護法」に認定されている動物であり、野性の個体を好き勝手に捕えてペットとして飼育する、といったことは出来ません。当然、ペットショップ等での販売も行われていません。病気や怪我などのやむを得ない理由によりハクビシンを保護する際には、自治体に許可をもらう必要があることを覚えておきましょう。飼育する場合、犬や猫と違い、トイレのしつけはほぼ不可能であることを念頭に置いておきましょう。ハクビシンには高い場所に登りたがる習性があり、そこで排泄を行うことになります。雑食性の動物には共通の問題ですが、排泄物の臭いがかなりきつく、臭気対策は必須です。また、鳴き声もかなり響きます。威嚇の際には「ウー」「ガウッ」という低く太い声、ケンカの際には猫が興奮したような声、子どもは「キーキー」「ピイピイ」と絶え間なく甲高い声で鳴き続けます。雑食のため食事の調達が比較的楽に行えるという点を加味したとしても、ハクビシンは「ペットには向かない動物である」と言わざるを得ません。
ハクビシンの歴史・起源・生態
中国南部を中心に、東南アジア、南アジア、台湾、日本にかけて広い地域で生息する動物です。生態は夜行性で、雑食性です。雑食性ですが特に糖度の高い果物を好み、他には小動物、昆虫、植物の種子、鳥の卵などを食します。猫と同様に頭が入れば狭い隙間でも通り抜けることができるため、昼間は木の洞やタヌキなど他の動物が使い古した巣穴、民家の床下や屋根裏をすみかにして休みます。樹上生活者とも呼ばれており、優れたバランス感覚を持ち、木登りが得意です。夏~秋の時期に年に1回、2~3匹を出産します。妊娠期間は2か月ほどで、基本的には母子を中心にした家族で生活しています。天敵はフクロウやタカなどの猛禽類です。
ハクビシンの気を付けたい病気
SARA、疥癬症、トキソプラズマ症、サルモネラ症、レプトスピラ症
ハクビシンの一口メモ
野生のハクビシンは多くの人獣共通感染症を媒介することで有名です。ネズミなどを捕食するために民家の床下や屋根裏に入り込むケースも多く、気付かないうちに病原菌やウイルスを持ち込まれてしまいます。命にかかわる病気も多いため、床下や屋根裏で頻繁に物音がする、フンを見つけた、といった場合にはすぐに専門の業者に駆除を依頼しましょう。
獣医師監修
本記事は、信頼性・正確性向上のために、獣医師資格保有者が監修しています。監修者の詳しいプロフィールは下記をご参照ください。
この記事の執筆者 / 監修者
- 獣医師もも
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北海道大学を次席で卒業し、獣医師資格取得。日本獣医師会会長表彰受賞。
幼少期から鳥やウサギ、犬などに囲まれて暮らし、獣医師を志しました。
大学卒業後は関東の動物病院で勤務した後、IT企業でWebディレクターとして働いています。
動物に関する正しい情報を発信したいという想いから、自身のブログ「獣医師ももブログ」 を立ち上げ、日々ブログを更新しています。
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