ウォンバットWombat

カテゴリ | 中ぐらいの動物 |
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種類 | ウォンバット |
英語表記 | Wombat |
大きさ | 80~120cm |
重さ | 25~40㎏ |
平均寿命 | 野生では約5年、飼育下では約10~30年 |
ウォンバットの特徴
ウォンバットは、有袋類に属するオーストラリア固有の動物です。分類としては哺乳綱・双前歯目・ウォンバット科に属します。
主にオーストラリア南東部やタスマニア島の森林地帯や草原に生息しています。
有袋類ではありますがカンガルーとは異なり、赤ちゃんを育てる育児嚢は穴を掘る際に土が入らないように上下逆さまに付いています。
体長は約80〜120cm、体重は20〜35kgとがっしりした体格で、雌よりも雄の方がやや大きく、短い脚と丸みを帯びた体が特徴です。
毛は灰色〜茶色で、顔はやや平たく、鼻が大きく、丸く愛らしい表情が人気です。
また、ウォンバットは穴掘りが得意なことでも有名です。スコップのような鋭い爪で、1日に約90㎝もの穴を掘ることができます。
ウォンバットの最もユニークな特徴の一つは「四角いうんち」で、これは巣穴の近くに転がして縄張りを示すためと考えられています。四角いことで、簡単に転がっていかないという利点があります。
寿命は野生で約5~6年、飼育下では20年を超えることもあります。
ウォンバットの性格
ウォンバットの性格は、温和で穏やかで人懐っこいと言われています。とはいえ野生のウォンバットは警戒心が強く、縄張り意識もあるため、不用意に近づくと防御的な行動をとることがあります。
ウォンバットは基本的に夜行性で単独行動を好みます。日中は巣穴の中で過ごし、夜になると活動を始めます。
動物園では主に夜行性に配慮した「ナイトハウス」などで展示されることが多く、環境に慣れると人懐っこい一面を見せる個体もいます。
巣穴のような空間を用意し、静かに過ごせる環境が整えられています。
来園者が観察しやすいように、ガラス越しやカメラで姿を見せる展示方法が工夫されている動物園もあります。
「ウォンバットはひとりだとうつ病になる」と一時期話題になりましたが、これは本当ではありません。
野生のウォンバットはもともとひとり暮らしが好きな動物で、無理に一緒にするとかえってストレスを感じることもあります。実際、オーストラリアの動物園でも単独飼育が基本とされています。
ウォンバットの飼い方
ウォンバットは草食性で、主に草や根、樹皮などを食べます。
飼育下では乾草、サツマイモ、ニンジン、ペレットなどの栄養バランスを考慮した餌が与えられます。ウォンバットは消化が非常にゆっくりで、食物が体内を通過するのに最大で14日ほどかかるといわれています。このため、一日に必要な食物の量は少なめです。
また、ウォンバットは穴を掘る最大の動物であり、一生の3分の2は巣穴で過ごすと言われています。
そのため、飼育環境では土を掘れるスペースなどを設置して本能的な行動を促します。
夜間に活動するため、夜に餌を与え、日中は静かに休ませるよう配慮する必要があります。
ウォンバットの歴史・起源・生態
ウォンバットの祖先は約2,000万年前にまで遡り、かつては巨大な種(ディプロトドンなど)も存在していました。
現在は3種が知られており、特に「ヒメウォンバット」「ミナミナミケバナウォンバット」「キタケバナウォンバット」が存在します。
その中でも「ケバナウォンバット」は絶滅の危機に瀕しており、国際自然保護連合(IUCN)により絶滅危惧種ⅠA類(CR:深刻な危機)に指定されています。現在の個体数は数百頭と推定されています。
開発による生息地の喪失や交通事故、病気などにより、ウォンバット全体の数も減少傾向にあります。
現在はオーストラリア政府により保護対象とされ、一部の個体は繁殖プログラムのもと、動物園や保護施設で飼育されています。
ウォンバットの気を付けたい病気
疥癬 感染症
ウォンバットの一口メモ
日本国内では、現在ウォンバットに会える動物園は限られており、大阪の「五月山動物園」、長野県の「茶臼山動物園」などがあります。
その中でも、五月山動物園にはウォンバットライブカメラが設置されており、公式YouTubeチャンネルでウォンバットの可愛いライブ映像を見ることができます。
ウォンバットは世界一かわいいお尻と称されるほど、可愛い後ろ姿をしています。
天敵から身を守るために、硬い尻で巣穴をふさぐという独特の防御スタイルも興味深いポイントです。
獣医師監修
本記事は、信頼性・正確性向上のために、獣医師資格保有者が監修しています。監修者の詳しいプロフィールは下記をご参照ください。
この記事の執筆者 / 監修者

- 獣医師ゆう
- 酪農学園大学獣医学群獣医学類卒業。卒業後は二次診療施設を含む複数の動物病院にて勤務。 現在は保護猫活動に力を入れている動物病院において、保護猫を対象として不妊手術や診察をしています。
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