ラッコsea otter

ラッコ
カテゴリ 中ぐらいの動物
種類 ラッコ
英語表記 sea otter
大きさ 体長1-1.3m
重さ オス22-45kg メス15-32kg
平均寿命 オス10~15年 メス15~20年(野生)

ラッコの特徴

ラッコは水族館でも大人気の海の動物で、食肉目イタチ科ラッコ属に分類される哺乳類です。主に北太平洋沿岸に生息しており、海の上でほとんどの時間を過ごし、寝るときは海藻にからまって流されないようにします。哺乳類の中でも体毛密度が非常に高く、1平方センチあたりに10万本以上もの毛が生えており、このため冷たい海でも生きていくことができます。
食べ物は貝やウニ、カニなどで、石を使って貝を割るなど、道具を使うことで知られており、知能が高いです。
しかし日本国内でラッコを飼育している水族館は年々減っており、2025年現在では三重県の鳥羽水族館のみでしか見ることはできません。毛皮目的の乱獲や環境の変化により、現在では絶滅危惧種(CR:深刻な危機)に指定されています。

ラッコの性格

ラッコはとても知能が高く、好奇心旺盛で遊び好きです。石や貝を使って遊ぶ姿もよく見られます。ある程度人とコミュニケーションをとることができるため、水族館では飼育員さんと道具を使って遊ぶこともあります。人懐っこい一方で警戒心もあり、慎重な面も持ち合わせています。また、ラッコの母親は子煩悩でも知られており、餌の捕り方から道具の使い方まで全て母親がお世話します。子どもが大きくなっても胸に乗せて毛づくろいするなど、非常に献身的です。

ラッコの飼い方

ラッコは通常単独で暮らします。繁殖期にはペアで生活しますが、子育ては雌のみが行います。ラッコは冷たい海域に生息し、密度の高い毛皮で体温を保っています。そのため、水槽の水温は約10~15℃に保ち、毛皮の乾燥を防ぐために陸場を設置しています。
毛が汚れていると水をはじくことができずに体温が下がり弱ってしまうため、1日の大半をグルーミングと呼ばれる毛づくろいをして過ごします。肉食性でウニ、カニ、貝類、魚類などの魚介類を主食としています。ラッコは皮下脂肪が少なく、体温を維持するために1日あたり体重の2~3割もの食事をする必要があります。

ラッコの歴史・起源・生態

ラッコの祖先は約530万年前にアフリカ・ヨーロッパ・アジアに分布していたカワウソ類と共通祖先から分岐したと考えられています。
もともと北太平洋沿岸に広く分布しており、特にアリューシャン列島やカリフォルニア沿岸、日本近海にも生息していました。しかし18~19世紀、毛皮目的の乱獲により個体数は激減し、一時は絶滅寸前にまで追い込まれました。
20世紀に入ってからは国際的な保護が進み、個体数は一部地域で回復傾向にあります。日本では北海道の根室沿岸などで一時的に野生ラッコが確認されたものの、現在では自然下ではほとんど見られません。ラッコは今も絶滅危惧種に指定されており、水族館などでの飼育や保護活動がその存続に重要な役割を果たしています。

ラッコの気を付けたい病気

トキソプラズマ脳炎、心臓病

ラッコの一口メモ

大人気の漫画作品などにもキャラクターとして登場するなど知名度の高い動物ですが、その反面日本国内の生体数がとても少ない動物です。
2025年1月にはマリンワールド海の中道(福岡)にて飼育されていた国内最後のオスが亡くなり、現在日本でラッコに会えるのは鳥羽水族館(三重県鳥羽市)のみとなっています。

獣医師監修

本記事は、信頼性・正確性向上のために、獣医師資格保有者が監修しています。監修者の詳しいプロフィールは下記をご参照ください。

この記事の執筆者 / 監修者

獣医師ゆう
獣医師ゆう
酪農学園大学獣医学群獣医学類卒業。卒業後は二次診療施設を含む複数の動物病院にて勤務。 現在は保護猫活動に力を入れている動物病院において、保護猫を対象として不妊手術や診察をしています。

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