ツル(タンチョウヅル)Red-crowned crane

ツル(タンチョウヅル)
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種類 ツル(タンチョウヅル)
英語表記 Red-crowned crane
大きさ 全長 約125〜155cm
重さ 約6〜13kg
平均寿命 野生下:約20〜25年/飼育下:約35〜40年

ツル(タンチョウヅル)の特徴

タンチョウは鳥綱ツル目ツル科ツル属の鳥類です。和名・英名ともに頭頂部の赤い皮膚に由来しており、「丹頂」は赤い頭頂を意味します。日本においては「北海道の鳥」に指定されており、北海道東部を中心に生息する日本最大級の野鳥です 。
体は白を基調とし、首から頭にかけての黒い模様と、尾羽付近の黒い羽が印象的なコントラストを生み出しています 。頭頂部の赤い部分は羽毛ではなく、毛細血管が透けて見える皮膚(裸出部)です。全長は約125〜155cm、翼を広げると220〜240cmにもなる堂々とした体格をしており、日本の野鳥の中でも格別の存在感です 。

ツル(タンチョウヅル)の性格

タンチョウは一見すると優雅でおっとりとした印象を持たれがちですが、実際には縄張り意識が強く、仲間同士の争いも激しい一面を持っています 。オジロワシやオオワシといった大型の猛禽類ともひるまず対峙することがあるほど、気性の強さと度胸を持った鳥です 。
ペアや家族単位で行動することが基本で、つがい間のコミュニケーションは非常に豊かです 。オスが「クォーン」と長く鳴いた後にメスが「カッカッ」と短く返す「デュエット(鳴き交わし)」と呼ばれる行動でつがいの絆を深め、同時にほかの個体への縄張りの主張も行います 。
警戒心が高く、人間や外敵が近づくと低い声で警戒音を発し、威嚇時には鋭い声で相手を牽制します 。
その一方で、長期間にわたって雛を丁寧に育て上げる親としての一面も持ち合わせており、家族への強い愛着と保護本能も、タンチョウの性格を語る上で欠かせない特徴です 。

ツル(タンチョウヅル)の飼い方

タンチョウは国の特別天然記念物に指定されており、個人が許可なく飼育することは法律で禁じられています。現在、飼育が認められているのは動物園など、行政から許可を受けた施設のみです 。そのため、ここでは動物園での飼育管理を中心にご紹介します。
飼育環境としては、タンチョウの全長や翼開長に見合った広いスペースが必要です。水辺や湿地を模した環境を整えることが理想とされており、水場や地面を歩き回れるだけの十分な広さが求められます 。日本動物園水族館協会(JAZA)はタンチョウの飼育マニュアルを作成しており、施設ごとに適切な管理基準に従って飼育されています 。
食事は魚類(アジなど)・ツル用固形飼料・小麦・ゆで卵のほか、カエル・ザリガニ・ミミズ・バッタ・草の実・穀物など、雑食性に対応した多様な食材を組み合わせて与えます 。
タンチョウは長寿な鳥であり、飼育下では40年以上生きる個体も珍しくないため、長期的な健康管理と飼育スペースの確保が施設運営上の大きな課題です 。

ツル(タンチョウヅル)の歴史・起源・生態

季節によって生活様式が大きく変わることも、タンチョウの生態における重要な特徴です。
夏(繁殖期)は湿原に分散し、ヨシを積み上げた直径約1mの皿状の巣を作って産卵・育雛を行います 。冬になると里近くの給餌場などに群れで集まり、オスとメスが向かい合って翼を広げ、首を上下に振りながら飛び跳ねる「求愛ダンス」を雌雄ともに行います 。このダンスはつがいの絆を深めるとともに、繁殖期に向けた関係強化の意味も持ちます 。
保護の歴史という観点では、明治期の乱獲と開発によって個体数が激減し、一時は絶滅したとも考えられていましたが、1924年(大正13年)に釧路湿原の奥地で数十羽が再発見されました。1952年(昭和27年)に国の特別天然記念物に指定された当時、確認個体数はわずか33羽でしたが、地域住民や行政による冬季給餌活動・生息地保全が功を奏し、2024年度の調査では1,927羽の確認に至りました。この回復を受け、2026年3月に環境省のレッドリストにおいて35年ぶりに絶滅危惧種から除外され、準絶滅危惧種へと改訂されています 。

ツル(タンチョウヅル)の気を付けたい病気

高病原性鳥インフルエンザ、鉛中毒、アスペルギルス症、消化管の寄生虫症

ツル(タンチョウヅル)の一口メモ

タンチョウは以前の旧1,000円札の裏面にもその美しい姿が描かれていたほど、日本を代表する鳥として古くから人々に愛されてきました 。「鶴は千年、亀は万年」というように長寿の象徴とされてきましたが、実際には野生下で20〜25年程度の寿命であり、千年生きるわけではありません 。
「折り鶴」の文化もタンチョウへの親しみから生まれており、婚礼の着物や祝儀の図柄としても広く使われてきました。タンチョウはつがいの絆が強く、長期間同じパートナーと過ごすことが多いことから、夫婦円満の象徴として婚礼の着物や祝儀の図柄などに広く用いられ、現代でも日本人の生活文化に深く根付いています。
実は、タンチョウは構造上、水をそのまま「すくって飲む」ことが苦手な鳥です。くちばしを水中に差し込んだあと、頭を上に持ち上げて水を喉に流し込む独特の飲み方をします。一見スマートな姿からは想像しにくいですね。

獣医師監修

本記事は、信頼性・正確性向上のために、獣医師資格保有者が監修しています。監修者の詳しいプロフィールは下記をご参照ください。

この記事の執筆者 / 監修者

獣医師ニノマユ
獣医師ニノマユ
獣医師免許を取得後、都内動物病院にて小動物臨床に従事。その後はペット損保会社にて保険査定や犬猫~エキゾチックアニマルまでの健康相談業務などを担当しておりました。現在は、動物業界の課題について広く視野を持ちたいという想いでweb業界にて働いています。大学時代は動物行動管理学研究室に所属。一番好きなのは羊で繁殖~出荷を経験しました。

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