ハリネズミHedgehog
カテゴリ | ハムスター |
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種類 | ハリネズミ |
英語表記 | Hedgehog |
大きさ | 14~20cm |
重さ | 300~500g |
平均寿命 | 2~5年 |
ハリネズミの特徴
ハリネズミとは、真無盲腸目ハリネズミ科ハリネズミ亜科に分類される構成種の総称です。名前に「ネズミ」と付きますが、実際にはモグラの仲間です。コロンとした丸っこい体型に、背中を針で覆われているのが特徴です。針は体毛が変化したもので、5000本以上あると言われています。根元にかけて細くなる形状をしており、この構造のおかげで衝撃で簡単に根本で折れ曲がり、ハリネズミ自身の体に針が食い込むことを防いでいます。危険を察知したり極度に緊張すると針を逆立ててその場に静止したり、体を丸めて球状の姿勢になったりします。針は、敵から自分の身を守る以外にも、高いところから落下する際の衝撃吸収の役目を果たすことが知られています。夜行性で雑食です。野生では熱帯の乾いた岩場に生息し、単独で生活しています。目がほとんど見えていない代わりに、超音波領域を感知できるほどに聴覚の鋭い生き物です。日本でペットとして飼育されているハリネズミは「ヨツユビハリネズミ」です。名前の通り、後ろ足の指が4本あることが特徴です。これ以外のハリネズミは特定外来生物に指定されており販売・飼育は禁止されているため、残念ながらペットにすることは出来ません。ハリネズミのカラーについては、ソルト&ペッパー、ブラウン、シナモン、アプリコット、アルビノ、ホワイト、パイド、シャンパン、プラチナなど、多くの種類が存在します。中でも人気の毛色は、ソルト&ペッパー、シナモン、アプリコット等になっています。希少性の高い毛色のパイドは相場価格も高騰する傾向にあります。
ハリネズミの性格
繊細で臆病な性格です。視力が弱く嗅覚を頼りに生きているため、飼い主の持ち物をケージの中に入れておいたり手のひらの匂いを嗅がせる等の行為を根気強く繰り返し飼い主の匂いを覚えさせましょう。馴れるまでにはかなりの時間がかかります。警戒心が強いため、迎えたばかりの頃はすぐに噛んだり棘を立てたりするかもしれません。この時に厳しく怒ってしまうとますます怯え、飼い主の存在に対して緊張するようになってしまいます。しつけは難しいとされている生き物ですので、普段の生活では出来るだけストレスを与えないよう静かな環境を整え、ハリネズミが落ち着ているタイミングを見計らって焦らずコミュニケーションを取るようにしましょう。馴れてきても噛み癖が治らない場合には、何らかのストレスを感じている可能性もあります。ケージ内の衛生状態、運動量、食事の内容など、普段の様子を一つ一つ丁寧にチェックしてみましょう。ハリネズミは鳴き声で気分を表現すると言われています。機嫌の良いとき、悪いときで鳴き方が異なり、慣れてくると聞き分けられるようになります。ハリネズミを飼っている人やペットショップなどが公開する鳴き声の動画などを視聴しておくと、ハリネズミの気分をスムーズに把握することが出来るかもしれません。
ハリネズミの飼い方
ハリネズミは鳴き声が小さく、体臭もあまりしません。夜行性のため日中は静かに寝て過ごします。都心部のマンションや、留守にする時間の多い一人暮らしの人にとっても飼いやすいペットです。しかし同時に、ハリネズミは飼育難易度の高い生き物であることに注意が必要です。暑さにも寒さにも弱いため、飼育環境はきちんと整えなければなりません。暑すぎたり寒すぎたりすると夏眠・冬眠状態になり、これをそのままにすると熱中症、脱水、内臓への負荷など多くの問題を抱えることになり、最悪そのまま命を落としてしまいます。季節や気温に応じて大理石やヒーターなどを活用しながら、室温は通年で25~28℃、湿度は40%を目安に管理・維持しましょう。ケージは出来る限り静かな場所に設置し、中にはハリネズミが姿を隠すことが出来る場所を作り、回し車やエサ皿、給水器を備えましょう。野生のハリネズミは、小さな体でありながら一夜の間に3~5㎞も歩くとされています。うるさいからといって回し車を設置しなかったり、壊れても直さず放置しておくとハリネズミは運動不足に陥り、ストレスや肥満などで体調を崩してしまいますので十分気を付けましょう。ハリネズミ特有の行動として「Anting=アンティング」があります。「泡付け」「唾液塗り」とも呼ばれ、目新しいものや刺激的な匂いに気付くと体をこすり付けたり、齧って口の中で泡状の唾液と混ぜ、舌を使って背中やわき腹の針に塗り付ける行為です。自分の匂いをカモフラージュするため・グルーミングのためなど様々な説がありますが詳細は判明していません。部屋の中を散歩させる場合には、ハリネズミが口に入れると危険なものや匂いのきついものは最初から撤去しておくようにしましょう。食事は販売されているハリネズミ専用フードを中心に活用しましょう。おやつには野菜や果物、ミルワームなど、高カロリーで消化の良いものを与えましょう。個体によって好みがありますので、最初はさまざまな種類の食べ物を試してみるのも良いかもしれません。爪切りは定期的に行い、体が特に汚れている場合には清拭したり、ぬるま湯につけて清潔にしましょう。ハリネズミは皮膚病を起こしやすいことが知られていますので、コミュニケーションのときに状態を確認する癖をつけておくと良いでしょう。
ハリネズミの歴史・起源・生態
ハリネズミの祖先は、今から約5200万年前のカナダに生息していたSilvacola acares(シルヴァコラ・アカレス)という2~5cmほどの動物だと考えられています。ハリネズミの赤ちゃんほどの大きさにしかならないこの生き物は「小さな森の住人=tiny forest dweller」の意味があり、今のハリネズミと同様に雑食性であったとされています。現在の野生ハリネズミはロシア、ヨーロッパ、アフリカ、中近東、日本以外の東アジア、インドに分布しています。ハリネズミは多くの文化において、食材や民間療法の材料として用いられていました。現在は禁止されていますが、2000年に保護法が施行される以前には、中国ではハリネズミ肉をスープや丸焼きなどにして食べたり、胃に効果のある漢方として重宝していたそうです。日本には過去のエキゾチックアニマルブームをきっかけに輸入されました。これらのかつてペットとして飼育されていた個体が野生として定着してしまい、2006年には「ヨツユビハリネズミ」以外のハリネズミは特定外来生物に指定されました。特定外来生物とは「人に危害を加えたり、生態系に悪影響を及ぼしたり、農林水産業に大きな被害をもたらす動物」であるとされているため、ペットとして飼育することは出来ないのです。
ハリネズミの気を付けたい病気
ダニ症、歯周病、肥満、皮膚疾患
ハリネズミの一口メモ
ハリネズミの相場価格は2022年現在、1~3万円前後になっています。ソルト&ペッパーのような主流・人気の毛色や流通量の多い毛色は1万円台で入手可能ですが、希少性の高いパイドなどは5万円ほどかかる場合もあるようです。海外輸入のハリネズミは狭い場所で多頭飼いされ、栄養状態の良くないまま繁殖させられているケースもあります。迎える前に皮膚の状態などの健康チェックしておくと良いでしょう。
獣医師監修
本記事は、信頼性・正確性向上のために、獣医師資格保有者が監修しています。監修者の詳しいプロフィールは下記をご参照ください。
この記事の執筆者 / 監修者
- 獣医師もも
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北海道大学を次席で卒業し、獣医師資格取得。日本獣医師会会長表彰受賞。
幼少期から鳥やウサギ、犬などに囲まれて暮らし、獣医師を志しました。
大学卒業後は関東の動物病院で勤務した後、IT企業でWebディレクターとして働いています。
動物に関する正しい情報を発信したいという想いから、自身のブログ「獣医師ももブログ」 を立ち上げ、日々ブログを更新しています。
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