ヒツジ(羊)Sheep
| カテゴリ | 大きい動物 |
|---|---|
| 種類 | ヒツジ(羊) |
| 英語表記 | Sheep |
| 大きさ | 体高約45~90cm※種類によって様々 |
| 重さ | 約13~160kg※種類によって様々 |
| 平均寿命 | 約10~12年(20年生きることもある) |
ヒツジ(羊)の特徴
ヒツジ(羊)は偶蹄目ウシ科ヤギ亜科ヒツジ属の哺乳類で、学名をOvis ariesといいます。品種は世界で1,000種を超えるともいわれ、大きさもまちまち。いちばん小さい品種とされるウェッサンは、肩までの高さ(体高)が45~50cm、体重も13~16kgほどしかありません。一方、大きな品種の雄になると体重は100kgを超えてきます。
日本でおなじみなのは、顔と脚が黒いサフォーク。お肉をとるための品種として、戦後に日本へやってきました。これに対して、羊毛をとる品種の代表といえばメリノ。毛がとても細く、メリノの毛は「ウールの代表」ともいわれるほどなんです。
ヒツジの目をよく見ると、瞳孔が横に細長い形をしています。視野は約270~320度もあり、首を回さなくても後ろまで見えるほど。ただ、奥行きをつかむのは苦手で、影や地面のくぼみにひるんで足が止まってしまうこともあります。
お腹のつくりは牛と同じで、4つの部屋に分かれた胃を使い、一度飲み込んだ草を口に戻してかみ直す「反芻」をしながら、ゆっくり消化しています。
ヒツジ(羊)の性格
ヒツジ(羊)は、とにかく仲間と一緒にいたい動物。群れたがる性質がとても強く、仲間から引き離されると大きなストレスを感じてしまいます。群れの中では先頭を行くヒツジについていく傾向が強く、人が群れをまとめて動かしやすいのも、この習性があるからなんです。
ヒツジは肉食動物に狙われる側の草食動物なので、危ないと感じるとぴったり寄り集まって身を守ろうとします。おっとりして見えますが、食べ物にはかなり貪欲な一面も。
そして意外なのが、記憶力のよさです。2001年に科学誌『Nature』で発表された研究では、ヒツジが50頭もの仲間の顔を見分け、2年以上たってもちゃんと覚えていたことが報告されました。人の顔を見分けられることもわかっていて、見た目以上にしっかり者なんですね。
ヒツジ(羊)の飼い方
ヒツジ(羊)も馬と同じく、法律上は「家畜」の扱いになります。ペットとして1頭だけ飼う場合でも、家畜伝染病予防法にもとづいて、毎年2月1日時点の頭数などを家畜保健衛生所へ報告しなければなりません。
ごはんは牧草や乾草が中心で、量の目安は1日に体重の3%ほど。新鮮な水も、いつでも飲めるようにしておきます。
ヒツジならではのお世話といえば、年に1回の毛刈りです。羊毛をとるために改良されてきたヒツジは、自然には毛が抜け落ちません。刈らずにいると夏に体温を下げられず、脱水症状を起こしてしまうことも。毛刈りは春に行うのが一般的です。
暑さも苦手で、気温が20℃を超えると食欲が落ち始めるといわれています。夏は日陰や風通しのいい涼しい場所を用意してあげたいところです。
蹄も伸びるので、少なくとも年に1~2回は削って形を整えます。
ヒツジ(羊)の歴史・起源・生態
ヒツジ(羊)が家畜になったのは、今からおよそ1万年前の西アジアでのこと。祖先は、トルコやイランなどにすむ野生のヒツジのなかま「ムフロン」と考えられています。
日本の記録に初めてヒツジが登場するのは『日本書紀』で、推古天皇7年(599年)に百済からラクダやロバとともに羊2頭が贈られたと書かれています。ただ、日本で本格的に飼われるようになったのはずっと後のことです。明治8年(1875年)に、政府が千葉県の三里塚に牧羊場を開いたのが始まりでした。その後、羊毛をとるために飼育が広がり、1957年には統計上で約94万頭にまで増えます。
日本の歴史の中で最も多く飼われた品種は、ニュージーランド生まれのコリデール。毛と肉の両方をとる品種なんだとか。ところが化学繊維が広まると、ヒツジの数は大きく減っていきました。
今は全国で2万5,000頭ほどで、その半分以上が北海道で飼われています。ちなみに、似ているヤギは木の葉や芽を好んで食べますが、ヒツジは草を食べる典型的な草食動物です。
ヒツジ(羊)の気を付けたい病気
捻転胃虫症、コクシジウム症、腐蹄症、鼓脹症、熱中症
ヒツジ(羊)の一口メモ
2027年は「丁未(ひのとひつじ)」の年。十二支の「未(ひつじ)」も、昔は時刻や方角を表すのに使われていました。「未の刻」は今の午後2時ごろで、方角では南から西へ30度、南南西を指します。
ヒツジは漢字の世界でも縁起のいい動物なんです。「美」「善」「義」のように、いい意味をもつ漢字には「羊」が入っているものがいくつもあります。中国の古い字書『説文解字』には「羊は祥なり」とあり、羊はめでたいものとされていたんだとか。「美」も「羊」と「大」を合わせた字で、同じ『説文解字』では「おいしい」という意味の字として説明されています(諸説あり)。
もうひとつ、毛刈りにまつわる驚きの話があります。2021年、オーストラリアの森で保護された野生化したヒツジから、なんと35kgを超える毛が刈り取られました。5年ほど伸ばしっぱなしだったと見られていて、顔の周りの毛で前がほとんど見えない状態だったそうです。
獣医師監修
本記事は、信頼性・正確性向上のために、獣医師資格保有者が監修しています。監修者の詳しいプロフィールは下記をご参照ください。
この記事の執筆者 / 監修者
- 獣医師ニノマユ
- 獣医師免許を取得後、都内動物病院にて小動物臨床に従事。その後はペット損保会社にて保険査定や犬猫~エキゾチックアニマルまでの健康相談業務などを担当しておりました。現在は、動物業界の課題について広く視野を持ちたいという想いでweb業界にて働いています。大学時代は動物行動管理学研究室に所属。一番好きなのは羊で繁殖~出荷を経験しました。
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