ホッキョクオオカミarcticwolf

ホッキョクオオカミ
カテゴリ 大きい動物
種類 ホッキョクオオカミ
英語表記 arcticwolf
大きさ 80~120cm
重さ 40~80kg
平均寿命 飼育下で7~10年

ホッキョクオオカミの特徴

ホッキョクオオカミはカナダ北部やグリーンランドのツンドラ地帯に生息するイヌ科の動物で、ハイイロオオカミの亜種です。
寒冷な環境に適応するため、体は厚い真っ白い毛で覆われており、体温を保つのに優れています。
耳や鼻は一般的なオオカミと比較すると小さく、熱の放出を抑えるためにこのような形状になっています。
主にアザラシやジャコウウシ、ホッキョクノウサギなどを狩って生活しており、食料が乏しい環境下でも群れで協力して狩りを行います。
人里から遠く離れた地域に生息しているため、人間との接触は非常に少なく、野生の姿が観察されることは稀です。生態などまだ分かっていないことも多く、幻の白いオオカミとも呼ばれています。

ホッキョクオオカミの性格

極地の厳しい環境に適応した結果として、非常に協調的で社会性が高いことが特徴です。両親とその子供たちからなる小さな群れで行動し、協力して狩りを行います。
ホッキョクオオカミは他のオオカミに比べて人間との接触がほとんどないため、臆病さや警戒心は薄いとされる一方、野生下では用心深く慎重な行動を取ります。
オオカミの中では珍しく、穏やかで人懐っこい性格をしています。観察例では好奇心旺盛な行動も見られ、人間の存在に対して恐れよりも探るような態度を取ることがあります。

ホッキョクオオカミの飼い方

現在、日本では個人によるオオカミの飼育はほぼ不可能です。オオカミは環境省の「動物の愛護及び管理に関する法律」において特定動物に指定されています。特定動物とは「人の生命、身体又は財産に害を加えるおそれのある危険な動物」のことをさし、2020年から特定動物を愛玩目的で飼育することは禁止されています。
ホッキョクオオカミは、寒冷な環境に特化しており、暑さに非常に弱い動物です。動物園などの飼育下においては、冷却システムや池などの水場、日陰を増やすなど夏場の高温多湿を軽減する工夫が必要になります。
また、野生では群れで行動する動物のため単独で飼育することは推奨されません。飼育下では生肉中心の食事となり、栄養バランスを保つために内臓や骨がついたままの自然に近い食べ物が必要となります。

ホッキョクオオカミの歴史・起源・生態

ホッキョクオオカミは約数十万年前の氷河期に、寒冷な環境に適応して進化しました。
北極圏では、食料が乏しく極端な寒さが続くため、仲間との協力や広い行動圏を持つことで生き延びてきました。
他のオオカミの亜種が人類による狩猟や開発によって数を減らした一方、ホッキョクオオカミは人の立ち入りが限られる北極諸島やツンドラに生息してきたため、大規模な絶滅危機を免れています。
とはいえ、気候変動が進む現代では、氷原の減少や獲物の移動による生態系の変化が懸念されており、絶滅危惧種(LC:低懸念)に指定されています。将来的な個体数の安定にはモニタリングと保護活動が不可欠です。現在でも北極圏の生態系における重要な捕食者として存在感を保っています。

ホッキョクオオカミの気を付けたい病気

ホッキョクオオカミのデータが少なく提示できません

ホッキョクオオカミの一口メモ

神秘的な見た目で人気のホッキョクオオカミですが、暑さにとても弱い動物ということもあり日本国内で飼育している動物園は限られています。
現在国内でホッキョクオオカミに会える動物園は、栃木県の「那須どうぶつ王国」、秋田県の「大森山動物園」、そして北海道の「ノースサファリサッポロ」のみとなっています。(ノースサファリサッポロは2025年9月末に閉園予定)
また、ホッキョクオオカミの国内における繁殖例はとても少なく、2024年に那須どうぶつ王国(栃木)で2頭、2025年にノースサファリサッポロ(北海道)で2頭の赤ちゃんの誕生が報告されています。

獣医師監修

本記事は、信頼性・正確性向上のために、獣医師資格保有者が監修しています。監修者の詳しいプロフィールは下記をご参照ください。

この記事の執筆者 / 監修者

獣医師ゆう
獣医師ゆう
酪農学園大学獣医学群獣医学類卒業。卒業後は二次診療施設を含む複数の動物病院にて勤務。 現在は保護猫活動に力を入れている動物病院において、保護猫を対象として不妊手術や診察をしています。

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